2019年10月2日

文化祭③クラス企画・ 起業体験講評

Filed under: 行事 — 漆 @ 6:13 PM

文化祭、中等部・高等部クラス企画の一部です。今年は特に中等部の発表が、高等部にも負けないほど、よく調査研究されていました。

起業体験講評は以下のとおりです。

今年度は、上位のクラスが広報力、企画実行力、業績力、展示力の各部門上位に集中する結果となりました。ある部門では上位3クラスに割って入るクラスも一部ありましたが、起業体験プログラムは上記の各部門のバランスも大切にしています。そのために、様々なお立場の方にサポート委員として参加していただき、評価をしていただいています。
その評価の枠組みを超えるほどの革新性のあるクラスはありませんでしたので、総合1位から3位までのクラスをそのまま表彰し、1位のクラスを最優秀賞と致します。なお、1位は同点で2クラスです。

まず、総合第3位から発表します。
総合第3位は、5年Dクラスです。
問題の難易度が高かったことと、問題の説明が分かりにくかったことなどから、初日は人の流れが悪く、入場者数が伸びませんでしたが、2日目に向けていくつも改善を行い、来場者を大幅に増加させることができました。この改善力は素晴らしいと思います。
また、高校生が作ったにしては体験のクオリティが非常に高く、オリジナルのファイルも含めて、多くの方に喜んでいただける内容になっていました。情報リテラシーの重要性を楽しみながら伝えたいという理念を、体験できた人には伝えられたと思いますが、体験をする前の段階で理念と事業内容を理解していただき、その価格と価値に納得した上で入場していただくことができれば、さらによかったと思います。これは、体験型の企画の抱える重要な課題でしょう。
ちなみに、高校生の展示でもあるという観点からは、自作の問題にどのような学術的な裏付けがあるかを示せると、さらによかったと思います。

次に、総合第1位1クラス目は、5年Aクラスです。
実用的で品女のロゴ入り、色の種類も豊富という、白ばら祭に来るターゲット層、購買客のニーズを上手く考えたいい商品だったと思います。企業理念と事業内容が直結している分かり易さが、この業績につながった最大のポイントだったと言えるでしょう。
また、IRレポート、HP、パンフレットの完成度も素晴らしいものでした。展示に関しても、留学生に取材して海外の傘事情を紹介するなど、様々な工夫が見受けられました。ただ、傘のリサイクル事業については、もう少しアピールしてもよかったと思います。
なお、オペレーションに関しては、在庫管理の点で改善点はあったと思いますので、その反省を将来、何かの活動に活かしてほしいと思います。

最後に、総合第1位2クラス目は、5年Cクラスです。
最近多発している日本での自然災害への備えという、身近で必須のテーマを選択し、ローリングストックという明確な提案を掲げて実行したことは評価に値すると思います。非常食を、ただ食べられればいいというものにせず、買った人がムダにして備蓄をやめてしまわないように、「美味しく、楽しんで」という観点を入れた点がすぐれていると思います。持ち帰りできる商品を販売したの
も、自宅に保存食を持ち帰ることによって、購入者が継続して防災意識を持つことにつながるよい工夫だったと言えるでしょう。
また、協力先と交渉して、返品可能な仕入れ条件を引き出した点も、この業績を生み出す素晴らしい取り組みだったと思います。
そして、お客様に自分たちの理念をより一層アピールするために、2日目からはミニプレゼンを実施するなど、企業理念を伝える工夫も、高く評価できます。

賞に入らなかったクラスも、それぞれに工夫して、よく努力していたと思います。株主総会では時間の制約もあるので、すべてのクラスについて、すべての委員から講評していただくことはできません。ですから、終礼で示される、様々な観点からの評価、講評をよく読んで、よかった点、反省すべき点を学び取ってください。そして、4年生は来年の起業体験プログラムで、自分たちと協力先と来場者のすべてが満足できる企画をぜひ実行してください。5年生は、今後のそれぞれの活躍の場において、新たな挑戦を続けてほしいと思います。