①大学出張授業(東邦大学看護学部)
昨日の夕方は吹奏楽部が合宿から帰ってきました。明日から夏期講習第4期が始まります。
一学期に行った大学出張授業、「東邦大学看護学部」を担当の小川からご報告します。
東邦大学看護学部の山田緑先生に災害看護、トリアージについての授業をしていただきました。 日本は地震や台風など、自然災害がいつ起こるかわからない災害国家です。 授業が行なわれた日も大型の台風が接近していて朝から大雨という 日でした。 山田先生は地下鉄サリン事件の起こった時に病院で働かれていた経験があるそうです。その時には、 サリンが原因とは分からなかったこともあって、 トリアージがうまくいかなかったそうです。 まず、トリアージとは何か?ここで、コーヒー豆を選んでいるおじさんの写真が出てきました。 トリアージとは、元はコーヒー豆や羊毛などを選別する、 フランス語のTrier(選別する) が語源になっているそうです。つまり、 トリアージとは患者さんを「選別する」。 病気や怪我をしている人の緊急度と重症度によって治療の優先順位 を決めることがトリアージです。 その「選別」の際に役立つアイテムが「タッグ」です。実際に現場で使われているタッグが生徒に配られ、 生徒たちはタッグをめくったり触ったりしてみました。 タッグは赤黄緑黒の4色に分かれており、 患者さんの緊急度と重症度によってそれぞれの色のタッグをちぎっ て身体に付けるそうです。緊急の際、 ぱっと一目で患者さんの重症度を区別するために、 この色のタッグを付けます。黒は死亡を表す、 という言葉が出ると、 一瞬でしたが教室にシンとした緊張感が広がりました。爪を5秒押して離したときに色が戻るか? と言われて生徒もやってみました。 色が戻らなくなったら体内の循環が止まっているそうです。 お話を聞いて、現場の臨場感、 緊迫感がリアルに伝わってきました。 授業の後半は、ドラマ「救命病棟24時」のDVDを観ました。江口洋介さん演じる医者が、 被災した現場で限られた患者しか治療できず、誰を選ぶのか、 選べなかった患者さんをどうケアするか、という内容でした。 生徒にとって入りやすい教材で集中して観ていました。 質疑応答の時間は、生徒から出た質問「災害の現場で看護をする際、免許はいるのか?」に対して「 特に必要ありません。 看護士の免許がなくても災害の際に看護をおこなう場合もあります 。」とお答えいただきました。 最後に、卒業後の進路や大学生活、看護学部の特色、受験についてなどのお話をしていただきました。 看護士の就職率は100パーセントで不景気でも引く手あまただそうです。資格のある女性は強いですね。景気とは関係なく、 人の命や健康に関わる仕事は常に社会から求められているのだと思 います。 他にも、卒業後は看護士以外にも保健師や大企業の看護センターなど進路は 様々というお話や、 東邦大の看護学部にはキャンプの授業があって非常時を生き抜くサ バイバルを体験するというお話、 医学部と同じキャンパスなので出会いもあるかも?など、 楽しいお話をいろいろとしていただきました。 教員の私もミーハー心からつい、戴帽式はあるのですか?と聞いてしまいましたが、優しくお答えいただきました。 戴帽式がある大学は少ないそうですが、東邦大はあるそうです! 厳かな雰囲気でおこなわれ、とてもいい経験になるそうです。 オープンキャンパスでは映像も観られるそうです。 4・5年生にとって進路選択はまだ遠い話のように感じていたかもしれ ませんが、今回お話を聞いて、 看護学部に進みたいという志望がはっきりしたり、 自分の大学生活や卒業後の進路について具体的に考えるきっかけに なったのではないかと思います。