2018年5月22日

栗城史多さん、安らかに。

Filed under: お知らせ,その他 — 漆 @ 12:51 PM

昨日、登山家の栗城史多さんの訃報が入りました。栗城さんとは何度かご一緒したことがあり、本校で生徒たちに講演をしていただいたこともあります。

2016年3月1日のブログでその内容を紹介しています。以下にご紹介し、在りし日の栗城さんを偲びたいと思います。

この日は、登山家の栗城さんの講演で、生徒が将来の進路を考える上で示唆の多いお話でした。

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栗城さんは、世界の山々を無酸素単独登頂、なおかつそれを自分で撮影して配信していることで有名です。私のメモをシェアします。

凍傷で指を切断。靴紐が結べなかったことも。もう登山は無理かとあきらめようかと思ったところ、先輩が「大きな事故の後にいい山登りができる」と言った。今は、自信のついてくる年齢でチャレンジしすぎて帰って来られなかった登山家もいる。

楽しくなければ(事故につながるので)下山しろとも言われた。事故は精神的なことで起きる事が多い。チャレンジを楽しむ。

指を切断すると決めたとき、父親に連絡したら、「おめでとう」と言われた。生きて帰れたことと、また登れるということに。苦しいかも知れないが、素晴らしい体験ができたことに。

チャレンジすれば、「苦しい」が苦しいままには終わらない。苦しみと喜びは振り子。苦しみを避けて楽な方を選ぶと、振り子の幅が狭くなり、喜びも小さくなる。

夢の叶え方。言葉にして伝える。登頂が夢ではなく、それをみんなと共有するのが夢。そのため、ネット中継をしている。費用は5千万。でも、10人に話すと誰かが誰かを紹介してくれる。夢の大小は問題でない。叶えるという字は口に十と書く。一日十回は言葉に出す。言霊というものがある。

指の治療のときもそうだった。治療は無理だと言われた。でも、直したいと言い続けたら、治療を受けてくれるところを紹介された。そのおかげで5ミリも伸びた。もし、あきらめて切っていれば5ミリ短くなったので、1センチも違う。そのおかげで登山が可能に。

言霊を大切に否定的な言葉を使わない。夢の木の幹は努力で太くなる。

生徒からの「自分の将来がまだ見えない」という質問に、「自分に向き合う時間を持つことと、生かされていることを感じる事」が大切と答えてくれました。

 

栗城さんからいただいたパネルとサイン入りの本を図書室に展示しています。

行き詰まり、「何か言葉をくれ」と頼んだ友人に、

「酸素があれば大丈夫」と答えるような、明るく、前向きで、ユーモアあふれる方でした。

安らかにお眠りください。