2017年9月19日

文化祭中等部展示・クラブ展示

Filed under: お知らせ,行事 — 漆 @ 4:00 PM

文化祭が終わりました。台風対応でヒヤヒヤしましたが、二日間とも実施できて本当によかったです。生徒達もほっとしています。初日は雨の中、2日目は暑さの中、お越しくださったみなさま、ありがとうございました。

今日は全校で片付けをし、高等部は起業体験プログラムの株主総会を実施します。

今日は中等部とクラブ展示企画の写真をご紹介します。

*中等部展示

夕方からは閉会式が行われ、展示企画の表彰が行われました。受賞クラスと審査員の講評です。

<1年生>
優秀賞  Dクラス「SOSトイレくん~今すぐトイレに行かせます~」
最優秀賞 Cクラス「地味にスゴイ! かさガール」

<2年生>
特別賞  Cクラス「食品サンプルは見た目が100パーセント」
優秀賞  Dクラス「ヒトデブソーーーーーク」
最優秀賞 Eクラス「そうじはつらいが役に立つ。」

<3年生>
優秀賞  Cクラス「笑う門には服来たる」
Eクラス「ボク、裏方の人です。」
最優秀賞 Aクラス「美女と野牛」

各学年の最優秀賞を獲得したクラスには、それぞれに見事な点がありました。今後の参考のために、みなさんにお知らせします。

1Cは、傘を忘れるという身近な問題から、地域全体の問題としてとらえ、能動的に動いていたところが素晴らしいです。早くから計画的に、クラス全体で行動していたことがうかがえるよい展示でした。時間をかけてオリジナル感のある映像を丁寧に仕上げるなど、表現方法も工夫していました。心理的な面からもとらえ、深く考察していた点も評価できます。せっかく始めた「シナカサ」のアイディアは、是非継続できるように工夫してください。期待しています。

2Eは、テーマに関する授業を受けるなどクラス全員での取り組みがあり、「生活の中で役に立つ」実践的な情報を提示したところが素晴らしかったと思います。小さな部屋を特設し、掃除の実体験ができるようにしている点は、来場者が楽しみながら掃除の大切さを実感できるユニークな展示でした。ビルメンテナンスの会社など、清掃に関する取材を多方面にわたって積極的に行っていた点もよかったと思います。展示全体を通して、自分たちの問題として取り組んでいることがよく伝わってきました。

3Aは、あまり注目されない問題に着眼し、自ら現地まで足を運んで調査して、その中から見えてくる社会問題や、修学旅行先であるニュージーランドとの比較まで、多方面からよく調べ、考察していました。生産から消費までの流れに沿った配置、インタビュー先の紹介CMの作成、レシピの紹介、「理想の牛乳、乳製品を考える」といった来場者参加型の工夫など、来場者の興味をひく統一感のある展示に仕上げていました。展示模造紙の枠の色分け、それにあわせたQ&Aも非常に見やすかったです。なお、テーマ設定の理由や問題提起などについてよりはっきりと提示しておくと、来場者が身近な問題として考えていく契機にさらになったことと思われます。

以上、いずれも立派な発表でしたが、今回は3年Aクラスを中等部最優秀賞ということにしたいと思います。中等部最上級生にふさわしい、よい展示でした。

なお、初めて文化祭に参加した1年生の表彰は2クラスでしたが、他の4クラスも問題設定から調査までよく取り組んでいました。出発点としては素晴らしかったと思いますので、これを土台とし、上級生の展示を一つのお手本として、学年に応じた成長を見せてほしいと思っています。

最後に、中等部の展示について、参考にしていただきたいポイントをお伝えしておきます。

*クラスのテーマと自分たち自身とのつながりを意識し、そこを出発点としながら、広く社会的な問題点にまで目を向けていってほしいと思います。自分たちにだけ関係することなのか、同じ世代の多くの人に関わることなのか、日本だけでなく、世界各国の人にも関わることなのか、ぜひ、多角的にテーマを見つめてみてください。

*現状分析から仮説をたて、調査に基づいて考察をして、自分たちなりの提案につなげているクラスが上級生の展示に数多く見られました。今後も中等部展示のスタンダードとして、継続してほしいと思います。

*例年のことですが、多くの学校外の方がみなさんの取材を受けてくださいました。その取材にはたくさんの学びがあったことと思いますが、その取材内容をぜひ自分たちで客観的に見つめて、深く消化して展示に結びつけていってください。

また、表彰されたかどうかにかかわらず、協力してくださった方々へのお礼は忘れないでください。

以上、担任の先生とクラスでふり返りをする時の参考にしてください。

 

*クラブ展示

展示クラブの表彰です。
今年度は、最優秀賞1つ、優秀賞1つ、特別賞2つとします。

特別賞は、2つです。まず、写真部「moment~一瞬の輝きのために~」です。
各クラブが文化祭に向けて活動する様子にスポットをあて、そのテーマに沿って文化祭準備日まで撮影を続けて、来場者に、文化祭の背後にある準備段階まで伝えられるような展示に仕上げていました。単に部員個人の作品を発表するにとどまらないこの企画は、たいへん興味深く、楽しい内容でした。今後もぜひ、活動の幅を広げて、その成果を文化祭で発表してください。モザイクアートも面白かったです。

もう一つの特別賞は化学部「Colorful Magic」です。
来場者が実際に体験できるコーナーをいくつも用意し、それぞれの説明もわかりやすく丁寧に伝えていた点が素晴らしかったです。演示実験、体験実験を組み合わせて、来場した小学生が化学に興味を持つような取り組みになっていたと思います。部員は毎年少しずつ入れ替わりますが、常に同じレベルの発表を維持し続けている点は、クラブ活動の着実な成果の一つとして高く評価できます。

次に、優秀賞は、1つ、クッキング部「#instakitchen(インスタキッチン)」です。
自分たちで考えたレシピやコラボレーションの記録がわかりやすく展示されていました。オリジナルのスイーツを作り販売までするところや、その流れを写真と手書きでスイーツにあった雰囲気でまとめている点も素晴らしかったです。写真・文章・動画などをふんだんに取り入れて展示していて、普段からの充実した活動の様子がよく伝わってきて、好感が持てました。日常のクラブ活動の積み重ねをいかに見せるかという点で、よいお手本になっています。

最後に、最優秀賞は、生物部「生命(いのち)を懸けた熱き闘い」です。
毎年好評の鳥の頭の解剖実験だけでなく、植物の毒及びザリガニの生態の2種類の研究を長期にわたって行い、その活動内容を部誌にまとめ、その冊子とリンクした展示を作った点が、たいへん素晴らしかったと思います。調査内容についてのプレゼンも堂々としていて立派でした。
来場者に生物に興味を持ってもらう工夫も続けていて、その点もよかったと思います。また、研究会での発表の様子等、日常的な探究活動の充実ぶりが伝わってきて、今後のさらなる活躍が期待されます。

クラブ展示については、舞台発表のクラブと同様に、日常の充実した活動の成果を、来年度以降も期待しています。

すべての行事は生徒の将来を意識しています。大人は結果を問われますが、成長期の彼女たちにとって大切なのは目標に向かうプロセスよって身につくものです。成果が得られない時の方が、「次こそこうしよう!」と、熱意が生まれ、学びが大きいときもあります。私達の学校が「失敗」を大切にしているのはそういう意味でもあります。受賞の如何に関わらず、しっかりとクラスで振り返りをして次につなげましょう。

*液体ミルクをテーマにしたクラス発表が昨日の東京新聞に掲載されています。