2014/12/11 木曜日

④早稲田大学連携授業(創造理工学部)

カテゴリー: 早稲田大学 — 漆 @ 16:30:27

早稲田大学連携授業、担当の伊藤からの報告です。 

「建築とデザイン思考」というテーマで、創造理工学部の小林恵吾先生がご講義くださいました。

先生に自己紹介いただき、建築学という学問について、という導入。
まずはハーバード大学出身という小林先生の経歴にわっと歓声があがりました。
その後続いた、建築学を卒業した学生の進路も多岐に渡るという実情には、静かに意外そうな表情を浮かべていました。

本題に入り、一つ目の話題は「建築家」の役割について。
建築の歴史を追いながら、建築家とはどのような存在であるかを考えました。発明家、数学者、芸術家、哲学者など、いろいろな要素をあわせもつ偉大な「建築家」たちが歴史に名を残しています。
そのような「建築家」たちが、多種多様でユニークな建築物を生み出しました。
そして、続く建築家たちも、時代に応じて、経済成長時の開発のための建築、被災時の復興のための建築、さまざまな役割を果たしてきています。

そうした建築の歴史が、二つ目の話題である「デザイン思考」へと綺麗に繋がりました。・建築家の仕事は、気になる問題点を工夫してよりよい建物を生み出すこと。
・デザイン思考は、「問題発見」から「問題解決」へと向かう思考法。
・つまり、デザイン思考は、もともと建築教育で行ってきたことと通じるものがあるということ。
確かに、建築はデザインそのものだということがすんなりと理解できます。

三つ目めの話題は、デザイン思考を用いて建築家が生み出す「建てない建築」。
小林先生ご自身が手がけたお仕事を例にあげていただくと、ほんとうに多種多様でした。
・家具の展開、開発。
・EUのシンボルの提案。
・ブランドショップの展開法の考案。
・ファッションショー形態の提案。
・ホテルの娯楽施設の改革。
・カタールの図書館のデザイン。

意外な並びに目をまるくしながらも、写真で「問題発見(Before)」「問題解決(After)」を見せていただくと、デザイン思考を3年生のときに学んだ生徒はすんなりと理解し、心を動かされていました。
返本される書籍がベルトコンベアにのって流れていくというような発想には目から鱗、講義を終えたあとも「みてみたい!」と盛り上がっていました。

生徒の感想を抜粋します。

・建築のイメージが変わりました。
・発想がおもしろくて興味がもてました。
・今まで当たり前だと思っていたことをくつがえす考え方がとても面白かったです!
・いろいろと提案できることも考え方にも感動しました。
・「建てない建築」や「社会とのかかわり」がとても興味深く面白かったです。

一緒に聞いている私も楽しく、たくさんの発見ができた40分間でした。
小林先生、ありがとうございました。

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