2014/12/12 金曜日

⑤早稲田大学連携授業(商学部)

カテゴリー: 早稲田大学 — 漆 @ 16:30:49

早稲田大学連携授業、担当の田辺からの報告です。

企業コラボや起業体験の影響で、経営に興味を持つ生徒も増えてきました。以前、起業の特別講座をしたとき、「建築学科を志望しているので、大学を卒業したあと、建築事務所を経営するときのため参加している」という生徒がいました。

経営に興味があるから商学部、経営学部、経済学部へという選択もありますが、理系に進んで専門分野を活かして経営者になる道もあります。大学も同時に二つの分野が学べたり、学際分野の学部ができたりと進化しています。

社会人や大学の先生と接するこうした機会を活かし、生徒には、いろいろな道の歩き方があることを知っていてほしいです。

「テクノロジーと経営」 早稲田大学商学部 金 倫廷(キム ユンジョン)先生
韓国の方で、日本で10年以上研究されている女性の先生でした。
日本語が上手で、漢字も駆使して授業が行われました。国際的に活躍されていると言う言葉が当てはまる方でした。
今回の授業では、「経営学の観点から、Amazon.comが無人機配達という新規プロジェクトに乗り出す理由の考察」を通じて、テクノロジーと経営について考えます。

<経営とは何か?>
「経営」という言葉から生徒達が連想したものは「企業」や「お金」のことでした。
経営とは英語ではmanagementです。managementという単語からは「管理」という言葉が浮かぶものだと思います。実際、企業を存続するために企業を管理するということが、経営というものだそうです。

<経営とテクノロジーの関係>
生徒達は事前にAmazonの無人配達機のニュース記事http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2013/12/post-3121.phpの抜粋のプリントをいただき、それを読んだ上でこの講義に参加しています。
まずはこのAmazon Prime Air(無人機配達サービス)の感想として生徒達からは「排気ガスがでないから環境によい」、「人件の削減になる」といった肯定的な感想や「人の頭の上に落ちたら、どうするのか。アマゾンの工場近くに住んでいたら、たくさんの無人配達機が飛び回り、人の頭に着陸したり、落ちたりしないのか」という懸念もありました。
Amazonという会社はB to C つまりBusiness to Customerの間に立つ小売業をおこなっている企業です。
Prime Airの利点は何か
・自動化によるコスト削減
・顧客満足
・環境への配慮
・労働問題(同じ作業をひたすら行うことは単調で人間性を奪うという問題を解消)
そしてテクノロジーによる環境変化への対応この環境変化とは何かというと、3Dプリンターの登場・普及です。
授業では3DプリンターのMINXの紹介がありました。このプリンターは好みの色をスキャンすると、その色の化粧品が作れるそうです。これは製造業も小売業も不要になってしまうということです。
アマゾンはテクノロジーを通じて(Prime Airを開発・今後活用することで)、企業としての経営・存続をしていくことができるのです。

生徒達の授業の感想
・「少し難しかったが、環境に適応することが企業にとって大切だと初めて知った。」
・「いろんな観点からものを見ることはおもしろい」
・「アマゾンの新規事業への挑戦を知り、大学では競争社会に勝つための経営学を学びたいと思った」
・「テクノロジーを活用することで、会社やそれを取り巻く環境が変わっていくことがおもしろいと思った」
など、生徒にとってはテクノロジーの開発が経営とリンクしていると言うことで新たな視点への気づきにつながったようです。

*先月実施された特別講座「株の学校」の様子が、日本経済新聞(12月3日付・17面)に掲載されました。さらに、日経電子版(12月10日付)でも紹介されました。日経電子版は有料会員の記事ですが、登録(無料)すれば一ヶ月10本まで無料で閲覧できます。