大学出張授業(東京農業大学)
大学教授出張授業のシリーズです。
担当の乃込から報告です。
講義テーマ 「生物多様性と環境にやさしい農学」
講師 東京農業大学 農学部農学科 岡島 秀治 教授講義内容
・地球上にはどのくらいの生物がいるのでしょうか
昆虫 約100万種 ・全動物の4分の3以上をしめほとんどの動物は昆虫である。
かなり高い割合で未記載種が含まれる(世界で500万種~5000万種)日本では10万種。・熱帯雨林における樹冠部の動物調査
アマゾン流域、ボルネオ島において調査される。
農薬を朝凪の時間にふきつけて昆虫を集める。
これまでの想像以上の昆虫が生息することが確認できた。・なぜ昆虫は多いのか
昆虫の環境への適応力が高い
種類数が多いだけ利用できるものも多く潜在的利用価値に注目される・昆虫の体は小さい
大きな昆虫 ゴライアスオオツノハナムグリ、ゾウカブト、熱帯アジアのナナフシ
小さな昆虫 ホソバネヤドリコバチ(0.25mm)
大部分の昆虫は体長 1~10mmで一般的に小さいので以下の点で得である
(1)食物の量が少なくて良い
(2)生活場所が狭くて良い
(3)外敵から身を隠すために有利・強固な外骨格をもつ
(1)皮膚からの水分蒸発量の調節
(2)内部器官の保護
(3)複雑な形態・関節構造の発達など他の動物がもたない優れた機能
・一世代の所要時間が短い
多くの昆虫は1年に一世代以上を繰り返す
ショウジョウバエは10日程度
メスは一般に多数の卵を産む(100~1000個程度→進化速度が速い)・はねの獲得とその発達
99%以上→はねがある昆虫、0.6%→はねがない昆虫
移動能力を獲得
(1)食物の獲得範囲が広がる
(2)死体をさがすシデムシ
(3)寄生をさがす寄生者・生物多様性と害虫管理
病害虫による農作物の被害 約3割が減収
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世界の食糧問題に重大な影響
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いかにして病害虫から農作物を守るか
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害虫を防ぐための条件(1)安全性(人に対しても、自然に対しても)
(2)早い効果と持続性
(3)低いコスト
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総合的害虫管理IPM
予想される被害>防除コスト
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防除予想される被害<防除コスト
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防除しない・総合的害虫管理(IPM)2
化学的防除、生物的防除、物理的防除→より安全で効果的な方法を模索
粗暴的農業 → 特定の害虫の大発生が少ない傾向 → 新たな考え方 総合的生物多様性管理(IBM)・IBMの考え方
より多様な生物の存在
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より複雑な生態系の構築
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生態系の平衡が保たれやすい
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特定の生物種の大発生がおこりにくい・里山の重要性
自然と農業の接点
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管理下にあって豊かな自然
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省エネにも貢献
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維持管理が大きな課題