2020年1月6日

今年の年末年始。能楽体験学習

Filed under: 卒業生,日本 — 漆 @ 5:00 PM

閉校期間が終わり、土曜から学校が開いています。皆様、新年をお健やかにお過ごしのことと思います。私は年末、義母の49日で福島に戻り、お正月は結婚後、34年ぶりに東京で過ごしました。

夫の実家で義母が嫁いでからの経験をしたためていたノートを読む機会がありました。義父は戦争中グアムで捕虜になり、戦死したものと思われて葬儀も出したそうです。長男の嫁とということで、10代の若さで、舅・姑だけでなく、義理の兄弟姉妹とその子供の世話までを引き受けて、日々の暮らしの大変さが偲ばれるものでした。それでも、ノートには家族への感謝、日々楽しいことを考える心がけなどが綴られていて、自分のこれからの人生を考える上で、お手本となるものでした。

戦中戦後を乗り越えた一世代前の方々のこうした苦労の上に、私達世代の生活がるのだなと思うと、私は次世代に何を遺せるのだろうと、身の引き締まる思いでした。

いろいろと考えるところもあり、断捨離スイッチが入ってしまったようで、年末年始はずぅ~っと掃除をしていました。普段ほとんど家事をする時間が取れないので、一つ綺麗にすると次が気になり、無限の世界へ入っていくようでした。そして、一段落した先週は母の遺した着物を仕立て直して袖を通し、歌舞伎を見に行きました。昔の着物を引き継いで着て、自分が子供のころ好きだった役者さんの名前がその子供へ孫へと受け継がれていく舞台を見て、文化を大切につないでいく日本的な価値観をしみじみ感じました。

昨年、早稲田会議に出たとき、海外経験の長い企業経営者の方が、「世界に出ると、日本的なものが求められていることを感じる。清潔感、美しさ、綺麗さ、ホスピタリティー・・・。日本人はそれに誇りをもったほうがいい」とおっしゃっていたことを思い出しました。

私達のところで途絶えさせることなく、生徒達世代に伝えたいなと改めて思う、新年でした。

さて、そんな思いでやっている、日本文化体験の一つ、を2学年主任の小野瀬よりご報告します。この日は、能を学んでいる教員も一緒に演じてくれました。

1219日総合学習日、観世流シテ方能楽師鈴木啓吾先生による能楽体験学習を行いました。

前半は、能の歴史や伝承の経緯、歌舞伎との違い、能の役割(シテ方・ワキ方など)や囃子方(笛・小鼓・大鼓・太鼓)の役割などお話しいただきました。

後半は、国語演習の授業でも学習した『敦盛』の謡曲本文を読み、一部分を一緒に謡う体験をしました。独特な言い回しもなんなくクリア、楽しそうでした。

最後は『敦盛』の舞です。厳かな動きに緊張感が漂い、真剣に見つめる生徒たちでした。

 生徒たちの感想の一部です。

・能楽と歌舞伎の違いを知ることが出来たし、日本の文化に興味を持つことができた。もっと古典を勉強して内容を理解したいと思った。

・授業で習ったので思ったより難しいものではなかった。古文や漢文が好きなので話しが楽しかった。

・天下をとる武将によっては能が伝承されなかったという話しは興味深かった。

・能や歌舞伎を知っている人はほんのわずかだと聞いて、海外の人に日本文化を伝えられるように学ぶべきだと思った。

・小学校の時に観てわからなかったことがわかった。能の楽器も初めて聴いて驚いた。

・敦盛の現代語訳もあったのでわかりやすくイメージできた。みんなで謡ったのが楽しかった。

・使用するもの(扇や楽器)すべてに意味があることを知り、自分でも調べてみようと思った。

・不幸せで感傷的な内容の劇が、そのようにして昔の人たちにうけたのか知りたいと思った。

*69期卒業生の渡邉さんより、大学のビジネスコンテストで決勝進出の報告を受けました。決勝は1月11日だそうです。
JAL代表のUYUというチームのようです。午後5時からニコニコ動画で生放送されるとのことです。http://ci.mycampus.jp/

 

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