道徳の授業 さわやかな自己主張
朝、玄関に立っていると、生徒の登校が早く、8時にはすでにピークを過ぎています。
みんな手に手に教科書やノートを持って最後の追い込み(?)です。つまづいたり、周りの方にぶつかったりしないように、立ち止まったときだけにしてくださいね。
さて、昨日の続き。
「最適解」と言いましたが、定期テストの解答用紙に書くのは「正解」。でも、人生で出会う問題には「正解」がない場合が多いです。
先日、3年生の総合学習でブレストの練習をしました。誰かの意見に、また別の人が新しいアイディアをどんどん付け加えていくことで、一人では思いもつかなかったような「最適解」が導き出されることがあります。
そんなときは、自分と違う発想や価値観を持った人と組むほど可能性が広がります。
「違いを知る」
「違いを尊重する」
「違いを楽しむ」
これからのグローバル社会に生きる生徒たちには、ますます必要になっていく力でしょう。
そのためには、黙っていないで自己主張をすることも大切。
道徳の授業、三つ目の話は、その自己主張の仕方についてです。(クラスによって、時間の関係でお話だけになってしまったクラスもあるのですが)
これは、アサーションと言って、さわやかに自己主張をすることを伝えるための話です。
ここでは、自己主張のパターンを3つに分けます。
1,言い過ぎて相手を不快にし、自分も後悔する
2,言えなくて、自分が不快になる(我慢がたまってどこかで爆発することもある)
3,さわやかに言いたいことを言い、自分も相手も傷つけない
そこで、まず、こんな質問をしました。
「ケーキ屋さんに行きました。注文したケーキと違うものが出てきたらどうしますか?」
皆さんだったらどうします?
品女生の場合、圧倒的に多いのが、「店員さんに伝えて変えてもらう」(う~ん。私、できないかも)
「言わないでそのまま食べる」は少数派です。
そこで、次の質問。(去年の答えと混ぜて紹介します)
「店員さんに伝えたけど、言い過ぎていやな気持ちになる人?」
教科書通りだとけっこういるはずなのですが、品女では少数派。「うちのお母さんはそういうタイプ」と言いう子はいました。
「本当は言いたいけど言えなくて、いやな気持ちになる人は?」
これも、いるはずなのですが、パラパラ。言わなくても平気な理由を聞くと、
「人生に関わるようなことなら言うけど、ケーキくらいのことだったら、わざわざ言わなくても気にならない」
大人!
「自分では頼まないものを食べるのも、新しい発見があるかもしれないから」
チャレンジャー!
「間違って注文より高いもの来たら食べてしまう(笑)」
みんなから、「え~、それで会計高かったらどうするの?」
「お金のことはおいといて、それはそれで食べて、好きなものももう一度注文する」
太っ腹!
品女生、実にバラエティーに富んでいます。(この授業は必要ないかも・・・)
でも、めげずに、
「ここには、困っていない人が多いようですが、世の中にはいろいろな人がいるので、上手な言い方を考えてみましょう」と聞いてみる。
生徒1 「あの~、これもとてもおいしそうなんですけど、私が注文したのは○○ケーキなんです」
生徒2 「私の言い方がよくなかったかもしれないんですが・・・」
生徒3「女子中学生にかわいく言われたら店員さんもうれしいと思うから、なるべくかわいくお願いする」
恐るべし、一年生。卒業生は「私たち、女子力低い」って言ってたけど、年々高くなってるかも。
なんだか、教えるより、教わることの多い授業でしたが、
「人によって言える人、言えない人がいて、受け止め方も様々なので、この学校にいる間にいろいろと試してみましょう。また、上手な自己主張をしている人に学びましょう」と、やや無理した感じで結びました。
授業の後、担任の横を、「英語の小テストないとうれしいなぁ~、相手を傷つけない自己主張・・・」とつぶやきながら通り過ぎた子がいたそうです。
去年、この授業をやったあと、レストランでグラスシャンパンを頼んだら、白ワインが来たので、(普段だったら、私、言えません)生徒に教わったとおり、もう一度シャンパンも頼んで、両方飲みました。(私も幸せ、店員さんも幸せだったと思います)