社会科特別講座「新聞から読み解く経済」
読書の秋。
朝、図書委員が玄関で読書週間のキャンペーンをしていました。
本とあまり縁がないと思っている人も、この機会にぶらっと図書室へ立ち寄ってみては?
新しい出会いがあるかもしれません。
本とともに過ごす一人の時間もよいものです。
さて、先日、行なわれました社会科特別講座の様子を、社会科の北原からご紹介します。
毎日新聞社記者の望月麻紀様にお越しいただき、社会科特別講座「新聞から読み解く経済」を行いました。
望月様は、政治部、生活報道センター、経済部などを経て、現在は毎日小学生新聞をご担当の現役記者です。
大学の時のご専門は何と数学で、理系出身の記者(←割と多いそうです)であり、小学5年生の娘のいるお母様でもあります。講座はまず、「なぜ新聞を読むことが大事か」、という話題からスタートしました。
生徒たちは、漠然と「なんとなく受験に役に立ちそうだから」という感覚を持っていたようですが、そうではなく、「私たちは賢い有権者・賢い消費者になるべき」「将来、賢い進路を選べるように、日々新聞を読んでおくといい」というお話をして下さいました。次に、新聞から得られる情報には、どのようなものがあるか、具体例を挙げながら、お話ししてくださいました。
例えば、
◎現在はねじれ国会で、法案がなかなか通らないが、実は、与野党を越えて議論しているような法案もある。
例えば、DV防止規制法は、与野党の女性が集まり、党の壁を越えて話し合っている。◎カーボンファーバーを自動車の車軸に使うことで、車の車体の重さが約3分の1になり、車の燃費が良くなることが期待されている。
また、このカーボンファーバーを作っている会社は、繊維会社。
日本の繊維業界上位3社で、カーボンファイバーを世界の7割、生産している。
日本の企業や繊維業界は実は将来有望かもしれない。…などなど、興味深いお話をしていただいた後、生徒たちにも1部ずつ新聞が配られ、実際に一緒に新聞を開き、読む上でのポイントや読みどころも教えていただきました。
その後、用意していただいた資料を見ながら、日本の財政の厳しい現状についてお話しいただきました。
いくつかの統計資料を見ながら、「共働き」「女性「子育て」をキーワードに、将来どんな働き方をしたいか、どんなパートナーを見つけたいか、など、現実的に将来をイメージするお話もしてくださいました。さらに、望月様がご担当の「毎日小学生新聞」の記事を見ながら、小学生にもわかる「円高」のお話、現在の円高による企業買収の話、それによる企業のグローバル化にも話が進みました。 本日の講座では、ひとつの記事から様々なことがわかり、それが少し先の未来につながっていることを、改めて実感することができました。
参加した3・4年生の生徒たちにとって、「28歳」を見据えるヒントをいただいた、非常に貴重な講座となりました。
望月様、本当にありがとうございました。生徒の感想の一部をご紹介します。
「今回の講座は、将来何をやりたいか決まっていない私の視野を大きく広げてくれるものでした。
貴重なお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました。」
「新聞を読むことはテストに役立つ、というのではなく、それを使って賢く生きるためだということに気づけました。
これからはもっと自主的に経済を勉強できそうです。将来のために、毎日、新聞を読もうと思います。」
「(家で新聞をとっていないので、)最近はずっとニュース番組しか見ていないのですが、今日のお話を聞いて、自分のためになると思い、親に新聞をとってもよいか頼んでみます。」
「テレビや新聞ではわからない、リアルなお話を聞くことができてよかったです。
また、新聞のどこをよめばよいのか今までわからなかったけれど、目についた興味のあるところでよいのだとわかり、堅いイメージがなくなりました。
今まで1面ばかり読んでいましたが、暮らし面なども読んでいきたいです。」