一年生家庭科『卒業生から学ぼう』
一学期シリーズ。今日は一年生の家庭科恒例の『卒業生から学ぼう』です。毎年、大先輩から戦中、戦後の話も含め様々なお話しを伺っています。おばあちゃんより年上の方、そして同じ学校の先輩、いつも親しみを持ってとても熱心に聞いています。
こうした機会を通して、自分の生まれ育った世代を越えて視野を広げ、様々な価値観を理解できる人に育ってほしいです。
以下、家庭課主任の田口からのご紹介です。
1年生、1学期最後の家庭科の授業は、『卒業生から学ぼう』という企画で、本校の芳葉会や後援会の皆様にご協力をお願いし、子ども達に品川女子学院の歴史や昭和の暮らしなどをお話しいただきました。
何しろ、平成7,8年生まれの1年生ですから、昭和の時代というとドラマか映画のシーンで印象に残ったものがあるくらいで、物に溢れ、何不自由なく生活をしている子ども達が戦争や物が十分にない時代があったことを、どのように理解し、考えてくれるのか心配もありました。しかし、先輩方の熱いメッセージが品川ファミリー1年目の後輩にあたる子ども達の心に響き、本当に有意義な時間を過ごさせていただきました。
「ちゃぶ台」「かまど」「木製冷蔵庫」「箱膳」「だるまストーブ」「100円札」「電車初乗り運賃10円」「はがき代5円」「脱脂粉乳」「鯨肉」「麦ご飯」「ブルマー」「セーラー服」「修学旅行は三浦海岸」「お昼休みのフォークダンス」・・・
先輩方から発せられるキーワードは子ども達にとっては全て新鮮で熱心に聞いていました。
特に、「お昼休みのフォークダンス」のお話(お昼休みになるとフォークダンスのメロディが流れ、学年の枠を超えて輪に入り踊ったことが楽しい思い出、順番が憧れの先輩に近づくとドキドキしたもの)は興味津々で、「今もあったらいいのに~」の声が・・・。憧れの先輩に対する思いは時代を問わず,同じようでした。また、当時の貴重なお写真や紙幣・コイン、ご自身が実際に使われていたセルロイドの筆箱など、資料を用意して下さり、夢中で前のめりになって見入っている姿も(気がついたら椅子の上に正座している人も・・・)みられました。
授業を終えた子ども達の感想は
◆今まで勉強した歴史の中の戦争がどれだけ悲惨なものであったか、実際にお話を伺ってよくわかった。
◆実体験をお話下さり、戦争の無意味さを知り、絶対に繰り返してはいけないと強く思い、命の大切さを実感した。
◆制服がばらばらのお写真を見せていただいて,本当に物がなく、大変な時代があったことを知り、改めて自分達が恵まれていることを感じた。
◆「卵焼きはご馳走」、「バナナは風邪をひいたとき」、「メロンは特別な存在」というお話で、いかにいまの環境が恵まれているかを実感した。
◆物がなく苦労はしていても、生活の中で小さな楽しみを見つけ、家族で協力して暮らしていくことの大切さがわかった。
◆『今は幸せ』という言葉を何度も聞いて、本当に大変な苦しい時代が日本にあったということと、一つ一つの言葉に歴史の重みを感じた。
◇いつか私も卒業生として、自分が品川女子学院で学んだこと、この時代で体験したことを後輩に教えてあげたいと思った。
◇どんなときでも品位を忘れずに気高く生きてきた品女の先輩方はすごいなと思った。自分も先輩達のようにかっこよく生きていきたいと思った。当日、ご協力下さいました皆様には、品川ファミリーの先輩として子ども達を優しい眼差しで見つめ、温かく接し、ご指導していただきましたことに深く感謝しております。
入学してから(する前から?)愛校心を感じる1年生、さらなる帰属意識を高めた1日になりました。
( 写真の卒業生のお一人は、お嬢さん2人も卒業生。もうお一人はなんとお嬢さん、お孫さんと3世代品女です。)