2008/8/27 水曜日

1年生総合学習『ユニセフハウス訪問』

カテゴリー: 28プロジェクト:世界,授業・学習・進学 — 漆 @ 15:49:04

中1総合学習報告の続きです。ユニセフハウスの見学をしました。中学1年生、宿泊行事の様子など見ていると、まだまだ自分の面倒を見るのが精一杯の人もいますが、こうした機会に自分のまわりの世界から少しずつ視野を広げて、将来は世界を視野に社会に貢献できる人に育っていってほしいです。

 以下、主任の田口からの報告です。

中等部総合学習の2日目の企画は『ユニセフハウス訪問』

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ユニセフハウスは学校からも歩いていける施設ですが、1年生の学年行事としては初めての現地集合。心配だったのか、気合いが入っていたのか、50分前に到着していた子ども達も…

「世界の子ども達は、どんな環境で暮らしているのだろうか」の事前学習からスタートし、「自分達にできること」を考えることが、この企画のねらいになっています。

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 “ユニセフ”という機関は知っていても、その活動内容についてしっかりと学ぶ機会は今回が初めてという子ども達が多く、限られた時間でしたが、世界の子ども達が(自分と同じ女の子が)、世界でどのような暮らしをし、教育を受け、その権利が守られているのかを学び、現実を知ることができました。

 「ユニセフってなあに?」からスタートし、「保健」、「栄養」、「水と衛生」、「教育」、「保護」、「緊急支援」など、世界の子ども達が置かれている現状を施設の担当者の方に丁寧に説明していただきました。

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 展示スペースには世界の子ども達のために用意した器具・機材(栄養不良を発見するための体重計や記録のための表、どこでも教室が開けるように教科書や学用品がまとめられている学校セット、戦争や災害から逃れてきた子ども達の命を守るためのハウスなど)や、戦争が終わってからも子ども達を脅かし続けている地雷の模型もあります。
 

ネパールで実際に使われている、水を入れると15㎏になる水瓶を実際に持ち上げている子ども達の姿もありました。
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事前にお願いしていた募金活動には多くの子ども達が協力してくれました。

100円でできることとして
◇ポリオから子どもを守るためのワクチン⇒6回分
◇下痢で脱水症状の子どもの命を救うのに使う経口補水塩⇒16袋
◇1錠で4~5リットルの水をきれいにすることができる薬⇒71錠
など、自分達が募金したお金の流れも学びました。

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戦争の悲惨さに胸を痛めたのと同時に「本当の幸せとは?」をひとり一人考えてくれた1日だったと思います。子供達の善意がきっと世界のどこかで大切な“命”を救っていることでしょう。
募金にはご家族の皆様のご協力もいただいたとのこと、ありがとうございました。 

子ども達の感想から抜粋しました。

◇学校に行けない子、親のかわりに働いている子がいるということは日本ではあり得ないこと、飲み水が原因で死んでしまうことも考えられないことです。私達がどんなに恵まれた環境で育ったかを改めて感じました。

◇特に印象的だったのが、ユニセフの活動が苦しむ人の体を治す手伝いをするだけでなく、心の面も考えていること。子ども達にとって心のケアがとても大切だということを知りました。 

◇生まれてきた場所が違うだけでこんなに立場が違うのはおかしいと思います。私達はこれからもっと世界に目を向けていかなければいけないと思いました。 

◇私達と同じくらいの年齢の子ども達も出兵しているという事実に驚きました。銃を持たせて、人を殺させるなんてすごくひどいと思いました。また、3秒に1人、子ども達が死んでいるということを聞いて、今こうしている間にも多くの子ども達が命を落としていると考えるととても悲しいです。少しでもこういう子ども達を救いたいと思いました。

◇私は「学校に行くのはあたりまえのこと」と思っていました。だけど、行きたくてもお金がない、家のことで忙しいなどの理由で行けない子ども達がいます。私の家は母がご飯を作ったり、洗濯をしてくれます。そして、父が家族のために働いてお金を稼いでくれます。それは『あたりまえ』なこととではなく『幸せ』なことなんだと思いました。

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