能楽鑑賞
3月12日の中2総合学習「能楽鑑賞」の様子を主任ブログからご紹介します。(私はニュージーランド帰りの空の上でした)
昨年もおこなった行事ですが、ご説明が分かりやすくとても好評で、今年もお願いすることになりました。最後にしていただいた質疑応答の時も発言が活発で、そのお陰で幕の上げ下げの仕組みを見せていただくことまでできたそうです。保護者の方も希望者の皆様が参加なさいました。
知らないとやや敷居の高い感のある、伝統文化の世界も、こうした機会に入口まで案内して頂くことで、生徒達の世界が広がります。
本校での体験がきっかけで、大学も芸術系に進み、評論を書くまでになった卒業生もいます。中には、女性だけの浄瑠璃の世界に進み国立劇場デビューを飾った人も。そこまでいかなくても、今も歌舞伎や能・狂言に趣味として親しんでいる人もいます。
以下、主任の小野瀬からです。
能楽鑑賞は、観世流能楽師である関根祥人先生のお話から始まりました。能の歴史、能楽の伝承、とお話頂きましたが、先生のお人柄を感じとった生徒たちは静かに聞き入っていました。
最初は「仕舞」です。紋付き袴で扇をもつなどして、装束はつけずに舞います。「巴」を舞ったのはご子息でした。子供たちと同じ年齢とのご紹介がありましたが、とても凛々しい舞でした。
次は「装束附け」です。本来は観ることができません。今回の演目である『安達原』では鬼女に変身しますが、実は変身前に鬼女の装束を身にまとっています。最後に、おもて(能面)を附けるところまで見せて下さいました。
『安達原』の解説の後、60分鑑賞した子供たちからは、最初はシーンとしていたものの、やはりあらすじを解説していただいたのが功を奏したのか、様々な面白い質問が出ました。その質問に笑顔で詳しく答えて下さる関根先生に少々申し訳なさを感じながらも、楽しい一時を過ごせたように思います。
この一年間「日本を知る」をテーマに活動して参りましたが、このような機会に出会うのはなかなか難しいのではないかと思います。先生も「一生に一度の機会かも」とおっしゃっていましたが、それでも今日出会えたことに、そして能楽という日本の伝統芸能を「知る」ことができたことを、3年生のテーマである「世界」に向けて発信してほしいと心から願います。
(写真:場内での撮影はできませんでしたので、能楽堂の外の生徒のようです。梅の花がきれいですね。)