2007/9/14 金曜日

文化祭準備のつづき(起業家プログラムの意義)

カテゴリー: 行事 — 漆 @ 12:00:00

さて、こうして外部の方のお力も借り、入念に準備を進めているのは昨年の体験に基づいています。
初めての起業家プログラムで、ご指導頂くベンチャーキャピタル会社のみなさん、投資家役の大学生、教員、生徒と様々な立場の人が関わる中、理念の徹底や、店舗運営のルール、配当の方法など、申し合わせや連絡報告の不足から、上手くいかないことがいくつも起きてしまいました。

直後は私自身の心にも「生徒のためにやったことで生徒にいやな思いをさせるのなら、もうやらない方がいいのかも・・・」という思いがよぎりました。
しかし、生徒から自主的に「今年はこういう点がよくなかったから来年にこう活かしてほしい」と具体的な改善案が寄せられたりして、気を取り直し、体制を整えて今年度に備えることにしました。
そもそも起業家プログラムはゼロからみんなで力を合わせて一つの会社を興し、失敗にめげない起業家精神を身につけるという意義もあり、また、一回の失敗であきらめたら、「能動的に人生を創る」を目標にして前向きにチャレンジする本校らしくありませんからね。

学校で起業家プログラムを実施することには、「子供にお金儲けを教えるのか」等の批判が起こりがちです。実際に、理念を徹底しないで進めると、大人の社会で起きるような不祥事も起きてしまいます。
しかし、だからこそ、社会に出る前に、資本主義の原則、企業の存在意義・社会的責任・社会貢献などをしっかり学んでおくことが必要なのです。
水曜の総合学習では、そのような考えから、企業の品質管理について学ばせよう、ということになりました。

以下はマクドナルドに講演を依頼した経緯について、担当教員からの報告です。

当初は、食品関連企業の不祥事を題材にした学習を考えました。しかし、相談をするうちに、マイナスのアプローチをするよりも、ああいったトラブルを起こしている企業はほんの一部であって、多くの企業が利潤を追求しながらも、プロ意識を持って取り組んでいる衛生管理・品質管理を知り、生徒も企業と同じ「プロ意識」を持って店舗経営に取り組ませる方がよいのではないかという考えに至りました。そしてそれは、起業体験プログラムそのものの安全管理だけではなく、生徒の社会勉強としても役立つに違いないと思い、昨年の3Dのご縁(*)をたどって、日本マクドナルドに相談したところ、快く引き受けていただくことができました。

*去年の文化祭で食育をテーマにドナルドが来校してお話しをしてくれました。(校長日記2006/09/14(Thu))その後、マクドナルドのチャリティーコンサートに生徒が出かけたりと御縁が続いていました。今回も「あの子供達なら」といってくださったとか。うれしいです。

マクドナルドのみなさま、お仕事のお忙しい平日に、生徒のためにお時間お取り頂き、ありがとうございました。教えて頂いたことは、文化祭はもちろん、将来子供達が社会に出たとき、きっと役立つにちがいありません。
(お話しがとっても楽しく、かつ、こわ~くて、印象に残りました。できれば毎年定番にしていただけるとありがたいなぁ・・・とすでに来年の話をしている私たちです)

*金融経済教育に対する考え方を書いたコラムは校長日記の記事集2006/04/18(Tue)をご覧ください。
http://www.shinagawajoshigakuin.jp/fromPrincipal/article/060327.pdf 

« 前ページへ次ページへ »