2014年9月24日

起業体験プログラム表彰式(9月24日)から

カテゴリー: SGH,SGH活動 — SGH @ 11:47 AM

(校長日記2014年10月3日より引用)

文化祭(9月20日21日開催)の高等部起業体験プログラムの株主総会は、うまくいったこと、いかなかったこと、各クラス、よく分析していて今後につながる内容でした(注:高校1,2年生は文化祭の模擬店を会社組織で運営し、各クラス起業を体験します。この取り組みを通じてグローバルリーダーの資質を育むことは、SGHの研究課題に含まれています)。

本校は「失敗」と「もめ事」を大切にする学校です。失敗はチャレンジの結果、もめ事はコミュニケーションの過程に起きることだからです。将来、人と一緒に仕事をしていく上でどちらも大切な経験です。今年は初めて3クラスが赤字決算になり、アドバイザーのお父様からは、チャレンジの結果とも言えるとむしろお褒めの言葉をいただきました。

こうした様々な「チームで行う体験」を提供していますが、学びの多かった順に並べると、
1,失敗し、その原因が分析でき、次はどうするか考えられているとき
2,成功し、どうしてうまくいったか分析できているとき
3,成功し、何でうまくいったかわかってないとき
こんな順番になるのではないでしょうか?失敗は痛いからこそ次への糧になります。言葉を換えれば、こうしたらうまく行かないのだという貴重な「経験」とも言えます。これを未来の財産にしてください。

アドバイザーの保護者の皆様、長い期間のご指導、ありがとうございました。

以下、表彰式(9月24日)で教頭が述べたコメントです。

今年度は各部門賞を統合し、ベストチャレンジ賞、ベストコミュニケーション賞を1クラスずつに、そして総合1位のクラスを最優秀賞として表彰致しました。

*総合第1位4年D組「手洗い推進委員会」清潔館
自分たちの思いと理念を、お客様に分かりやすい形で提示し、それを商品の販売に見事につなげていました。一人一人の小さな善意をつなげて寄付をするという行為が、1,000ピースのパズルによって可視化されたので、お客様一人一人が、4Dとともに一つの思いを共有し、自らも参加できたという実感を持てたのではないかと思います。それと同時に、在庫を誰もが確認できるような仕掛けになっていたという点で、素晴らしい運営手法だったと言えます。もちろん、ROE等の業績力を見る各数値も大変優秀でした。このように、展示力、業績力、企画実行力、広報力、トータルに優れていた4Dが、今年度の総合第1位、最優秀賞です。

*ベスト・コミュニケーション賞 4年E組「It’san ice cream world」
これまで、アイスなどの売れ筋の飲食物を販売するクラスは、企業理念が後からついてくるような感じになることが多かったものですが、4Eの事業はまったく違っていました。「グローバル化に貢献したい」という理念を前面に押し出し、英語、ドイツ語、トルコ語にお客様が触れる機会を見事に作り出していました。当日の運営もよく工夫されていて、決して販売優先にはならず、お客様に外国語でコミュニケーションを楽しんでいただくというこの企画の理念を見事に実現させていました。さらに、広報ブログでの発信力も極めて優秀なものでした。以上の理由から、4Eにこの賞を贈ります。

*ベスト・チャレンジ賞 5年E組「studeet」ふぁぼ勉
来場者から直接お金をとらない、B2B4Cという新しいビジネスモデルにチャレンジし、最後までやりきったことは、大変素晴らしかったです。もちろん、赤字でいいということではありませんが、チャレンジしてこそ、品川女子学院の起業体験プログラムと言っても過言ではないので、5Eの挑戦する姿勢とその実行力を高く評価し、この賞を贈ります。

賞に入らなかったクラスも、それぞれに挑戦し、工夫して、よく努力していたと思います。4年生はこの経験を活かして、来年はより一層の挑戦をしてください。また、5年生は、起業体験プログラムはこれで終わりますが、挑戦する場はこれから先、いくらもあります。そうした場面で是非頑張って下さい。
なお、後ほど、各クラスに講評を渡します。ほかのクラスの講評も見られるようにしますので、今後の参考にしてください。

この他にも、こんな工夫があって、メモが間に合わないくらいでした。

・理系クラスで地元の学童で実験教室まで行って理科の普及に結びつけた
・ネット上でアフターサービスを行ったり、ウエブページをつくったりした
・発注ミスをみんなの力でカバーした
・1日目の反省を活かして翌日はシフトを変えたり、店の配置をかえたりした
・提携先がNPOということで、考えた末、株式会社でなくNPOで実施した
・このコラボを今後も続けていく計画がある

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