2011/5/25 水曜日

オサン・デ・ファム

カテゴリー: 保護者 — 漆 @ 17:00:30

以前、ブログで紹介した心療内科医の釜野聖子先生の講演会(保護者向け、生徒向け)の様子をご報告します。

保護者向けのセミナーはオサン・デ・ファムからいらした桐島洋子さん、白河桃子さん、森田敦子さんのお話も伺え、有意義な時間になりました。

釜野先生からは、思春期の女の子の抱える心と身体の問題について具体的なお話がありました。参加できなかった保護者の方にもシェアしたいので、箇条書きにします。

1.クリニックを訪れる子ども達の訴えには、頭が痛いなどの身体的なもの、不安や気持ちが沈むなどの心理的なもの、友達とのトラブルなど社会的なものなど複合的な問題が絡み合っていることが多い

2.症状は氷山の一角なので、その下で複雑に絡み合った問題を解いていかないと、一つの症状を押さえても次から次へと違う症状がでてしまう。

3.痛み、こり、目眩、寝不足、家族の心配などを、仕方ないからと我慢していると、分かってくれないという思いや怒りがたまり、自律神経のバランスを崩してさらに症状を悪化させる。

4.もう中学生といっても、まだ中学生。見かけは大人でも内分泌や自律神経の調整能力、精神的な成長は発達は途上である。

5.子どもの抱える問題を複雑化する要因として、以下の四つがあげられる。

①精神的な発達課題を残したまま身体が成長していくこと
②自分の意思で取捨選択する練習がされていない
③親の考えの影響が強く、自分の考えと区別が着かないまま育つ
④子ども同士で問題を解決する練習場面が少ない。その結果以下のようなことがおきる。
 ・人との違いを受け入れにくい
 ・一部の考え(友達の言った事)を汎化(みんなそうだと思い込む)しやすい
 ・ノーが言えない

6.親は子どもの身体を日常的に見ておくことが必要。また、周りの大人は子どもが困っていたら、まず受け入れて、相手に「分かる言葉」で伝えることを教えていく。

作家の桐島洋子さんからは子育てと仕事を両立してきた立場からの楽しいお話も。
例えば・・・「仕事にはレイバー、ワーク、アクションの3段階がある。家事であっても会社での仕事であっても、人から言われて嫌々やるのではなく、意義を感じて自らアクションをおこしたい」

「辛いとき、大変な時、いろいろ悩み事があるとき、私は『執行猶予カゴ』というのを作ってあって、とりあえずそこに入れておく。しばらくして開けてみると、多くの事は時間が解決してくれている」

明日は、生徒向けの講演の内容をご紹介します。

« 前ページへ次ページへ »