2011/5/26 木曜日

オサン・デ・ファム②

カテゴリー: その他,授業・学習・進学 — 漆 @ 18:12:34

昨日ご紹介したオサン・デ・ファムのセミナーを、健康診断の日、生徒向けにも実施していただきました。

女性の身体に起きる問題について、私たち世代は言葉にすることさえタブー視されることがあり、どこかで詳しく教わる機会もありませんでした。

私の母は40代で卵巣癌になり、発見されたときは手遅れと言われました。健診を受けず、乳がんの発見が遅れた友人は「子どもに申し訳ない」と泣いていました。教え子が子宮頸がんになったと聞いたときは、信じられない気持ちでした。

母が亡くなる前、同窓会の文集に

「今、私の一番ほしい物は健康です。みなさんも私のようにならないように、検査はしっかり受けましょう」と、書いていたことが忘れられません。

知識があれば備えられることもあります。

女性の身体は男性と違います。子どもを生める年齢も限られています。

28プロジェクトで女性のライフデザインを考えるとき、女性特有の健康上の問題についても知り、未来に備えてほしいです。

以下に、授業の様子を箇条書きでご紹介します。思春期の女の子だけでなく男の子にも知ってもらいたい内容です。

思春期、体は成長するが自律神経は最後に伸びてくるため、その見えない自立神経が影響するのでバランスを崩しやすい時期。

思春期はまた、周囲との関係や自分自身への認識が変化する時期。(アイデンティティー・クライシスと呼ばれる)

女性のライフステージを考えるとき、小児期、思春期、更年期・・・それぞれの体の変化と抱える仕事がある。

ライフステージの表を見ると、17歳は先が長いことが分かる。昔の女性と比較すると出産回数の少ない現代の女性は、卵巣が疲れる。

ここで、先生から「自分は何歳まで生きると思いますか?」と質問。

(品女生は寿命に自信のある子が多いらしく、中には100歳以上に手を挙げる子も。先生ご自身は、この表に初めは68歳と書いていて、お子さんを産んでそれが伸びたそうです。3歳のお子さんに「お母さんって死んじゃうの?」と質問されたとき、「自分の命は自分のものだけでない」と実感なさったそうです)

不眠、うつ、問題行動など、中学生くらいから始まり、不調の原因が「不眠」と本人からあがっても、他の要因も含んでくる。

主訴が「おなかが痛い」であっても、聞いていくと、「家がいや」「友達との関係がうまくいっていない」などと。

症状が起こる原因を、体だけでなく生活環境や周囲の人間関係、どう生きていくかという実存的問題も含め、人生全体の問題としてとらえることが必要。

「おなかが痛い」は身体の症状。それを医学的に考えて治療しても症状がなくならないとき、原因を他に考える。

例えば、
部活で朝が早い→ゆっくりご飯がたべられない、落ち着いてトイレにも入れない→でも、頑張る。
塾で帰りが遅い、夕食が遅い→寝るまでに時間がない→でも、両立したい→頑張るしかない。

こういうことが繰り返されると体の負担となる。症状を抱えたままがんばり続けると心の負担になって症状が悪化する。これはおなかの治療だけでは治らない。

症状は氷山の一角。(昨日の保護者向けと同様)水面に見えている部分をとってもその間に下ができてしまう。問題点を触らずに症状をとろうとしていると、他の症状も出てくる。

そこで、するべきことは、

1、自分なりに改善を考える
2、原因を考える
3、友達だけでなく、大人にも相談する
4、自分の状況を言葉で整理して周囲に伝える
5、周囲の大人にわかる言葉で伝える

最後に、生理痛、生理用品、月経前症候群、子宮頸がんワクチン、医者を受診するタイミング等々、生徒から事前に寄せられた質問にアドバイスをいただきました。

講演終了後も、個人的な相談で先生の前に並ぶ子達。先生が一人ひとりじっくり答えてくださいました。

後日、授業で生徒からはこんな声があがったそうです。

・自分にとって身近なことなのに、あまり考えたことはなかった。
・ビックリしたことも沢山あった→人間の体って不思議、こころって不思議。
・ホルモンて大切なんだと知りました。
・当日、Q&Aでお答えいただいたので「そうなんだ」と実感。

 釜野先生、オサン・デ・ファムのみなさん、ありがとうございました。