文芸部 万城目学さんインタビュー秘話 ②
今日は秋らしい爽やかな一日です。日が落ちるのもすっかり早くなりました。
昨日、部活帰りの生徒達を校舎の反対側から見ていたら、「早く渡ってくださ~い」と呼びかける生徒の声。
部活の盛んな本校では、この解散時刻が下校のピークになります。部活が終わってほっと一息、仲のいい友達同士の帰り道は、おしゃべりに夢中になると周りが見えなくなりがちです。
部員の多いクラブは100人を越えるので、なるべく近隣の方にご迷惑をかけないように、クラブごと上級生が下級生をまとめて帰るようにしました。
さて、万城目さんインタビューのつづきです。昨夜、放送されていた「世にも不思議な物語」にも万城目さんの作品がありましたね。
このインタビュー、私も同席しましたが、生徒と顧問のテンションの高いこと!(そしてたぶん万城目さんも)
ウキウキした空気が充満し、教室ごと浮かび上がりそうでした。
「こんなころもあろうかと準備してきました」とサインの用意までしてくださった万城目さん。調子に乗ってあれもこれもとお願いする気満々の生徒達。(どうも、品女DNAには遠慮とか、社交辞令とかいうものが入っていないようです)
見かねて「一人一つにしたら?」と声をかけました。(後で伺ったら、この日は原稿の締め切り日だったそうです。それなのに、こんなに長時間おつきあいくださって、ありがとうございました。)
インタビュー当日、「では、質問のある人」と司会者の部長が第一声をあげると全員が挙手。そこまでは、予定通りです。
が、部長が回答者を指名するなり万城目さんの「え、答える人、そっちで指名するの?」という一声で、準備に費やした努力は泡と消え……。緊張でがちがちになっていたこともあって、その後しばらくはちぐはぐなやりとりが続き、調子がでません。
しかし、万城目さんがとても気さくに作品さながらの楽しいお話をして下さるうちに、生徒達の緊張も徐々にほぐれていき、おかげで準備していた質問を次々に聞くことができました。
作品を書くための取材について、登場人物のモデルについて、タイトルについて、作品に対する思いについて、などといった質問に、万城目さんは一つ一つ丁寧に答えて下さいます。
決して子供だからといって適当に流すこともなく、誠実にお答えいただけるので部員達もだんだん調子に乗りはじめ……。
やがて、「『プリンセス・トヨトミ』の表紙をめくると…」(何があるのか知りたい方は、是非買って読んでみて下さい)
というかなり深い質問や、
「早良京子さん(「鴨川ホルモー」の登場人物)が泣いていたのはどちらのベンチですか?」と合宿で撮影した写真を示しての質問が飛び出し、「事前の準備」の成果を発揮、なかなかいいぞ、と思っていると、
「犬派ですか?猫派ですか?」
「執筆中に座っている椅子はどういうものですか?」
「好きな武将は誰ですか?」 など、ただ自分が聞きたいだけとしか思えない質問も……。
しかし、万城目さんはそれらの質問にもきちんと答えて下さいました。
そこで、ついつい生徒に紛れて私も調子に乗って聞いてみました。
「さだまさしはお好きなんですか?」
「ひょうたんを育てているそうですが、そのきっかけは?」……。
もちろん、この質問にもきちんとお答えいただき、大感激。(笑)。(なぜ、こんな質問を?と思われる方は「鴨川ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」、万城目さんのツイッターなどを御覧下さい)
つづく。