2010/9/11 土曜日

大学出張授業 社会学 

カテゴリー: その他,授業・学習・進学 — 漆 @ 15:54:53

出張授業のつづきです。報告を読んで、以前の特別講座を2つ思い出しました。

一つは、テレビ局のディレクターが講師。実際にテレビニュースの素材になった映像と、それと同じ場面からカメラを引いてとった映像とを比較しました。

生徒は2つが全く違う印象を与えることに驚き、「ニュース映像は事実を伝えるものと思っていたけれど、実際は作り手の意図というフィルターがかかっているんだ!」と驚いていました。

もう一つの講座では、テレビ局やネット関連の企業からゲストをお呼びして、編集された写真と加工していない写真を見分けたり、生徒が動画を編集して事実とちがうストーリーを作ったりしました。

このときは加工された映像を受け取る立場と、映像を加工する立場の両方を経験することで、さらなる気付きがありました。

インターネットの発達で情報の収集と発信が子どもにも容易にできる現代、情報を的確に取捨選択する力、事実と意見を分けて伝える力をつけることはマストです。

マスコミやネットに限らず、身近な所では「噂話」も同じですね。「事実」と「自分」の間に入った「意図」に振り回されず、客観的に物事を見る力をつけてほしいです。

では、社会科の渡邉からご紹介します。 

 専修大学 文学部 大矢根 淳 教授 「社会学~見えないモノを視る力」 

社会学には専修大学文学部教授の大矢根淳先生に来ていただき、講義をしていただきました。 

はじめにお話してくださったのは、社会学とはどのようなことをする学問なのかということでした。社会学は場の空気を知るために、周りを見ることが非常に重要だということでした。そしてそれを自分の五感に響く言葉で表現することが大切だとおっしゃっていました。

このために、実践すると良いということが「5WORDS」で物事をとらえるということでした。5年後・10年後も後で見たときにその日のことがわかる表現が社会学の基礎になるともおっしゃっていました。その基礎になることが、中学・高校での物事の概念を身につけることだそうです。どのようなことでも、事実をもう一度とらえ、一から疑いをもつことが重要だということでした。

疑うことの重要性を説明してくださるのに、一枚の新聞記事の写真や、大矢根先生のご自身のニュージーランドでの生活を例に、事実を疑ってみることの重要性をお話くださいました。 

話を聞いた生徒の感想を紹介します。

■ 5WORDSを毎日日記としてつけてみようと思いました。何事もうのみにするのではなく、違う視点で考えることが大切だと思いました。

■ 当たり前に思い込んでいるようなことにでも疑ってかかるという社会学がすごく面白いと興味を持ちました。