大学出張授業 理工学
秋の気配が感じられたのも一時、また暑さが戻ってきてしまいました。文化祭の日は涼しくなってくれるといいのですが・・・。生徒たちは一生懸命準備をしています。
さて、大学出張授業の続きです。早稲田大学創造理工学部建築学科の古谷誠章教授による講義の様子を担当の白石からご紹介します。
古谷先生の講義テーマは、『建築デザインとは何か』です。講義の始めに、様々な国の言語で生徒に挨拶をして下さいました。
その時点ですでに多くの生徒が「この先生はすごい」と引き込まれていく様子がわかりました。
生徒達は「建築デザイン」というと、建築士が設計図を一生懸命に書いているような様子がまず浮かんでくるようですが、少し異なった視点から建築デザインについてお話して下さいました。
「私達は、服を、家を、宇宙を、重ね着している」という考え方は興味深いものでした。体→皮膚→服→部屋→家→庭→街→都市→自然→大気圏→オゾン層→宇宙…というように、私達の体は、服の上に家や宇宙を何重にも重ねて着ているのだということでした。
この中の「皮膚→服」の部分が「ファッションデザイン」であり、「服→部屋」が「インテリアデザイン」、「部屋→家→庭」が「建築デザイン」にあたるのだそうです。すべてのデザインは、私達の生活環境のデザインにつながっているのだと実感出来ました。
他にも、海外の建築デザインの例をいくつか紹介して下さいました。生徒が注目していたのは、タイでの会議風景です。日本で暑い夏に会議をするとなると、冷房の効いた部屋に机が並び、蛍光灯の光の下で話し合いをする様子が浮かびます。
しかし、見せていただいたものは、木の下に大きな傘を2本置いてあるのみ。木と傘で日陰を作り、自然の明るい光の中で楽しそうに話し合っている様子でした。素晴らしいエコです。
二世帯住宅の話題では、先生ご自身の家の写真を紹介して下さいました。玄関と玄関の間が5.4mであることがいいそうです(すかさず生徒が質問をすると、畳の3個分程の長さとのこと)。
興味深いテーマに生徒を引きつける話し方で、60分があっという間に過ぎてしまいました。生徒達は、建築デザインを幅広い視点で見ることが出来るようになったのではないかと思います。