2014/12/9 火曜日

②早稲田大学連携授業(教育学部)

カテゴリー: 早稲田大学 — 漆 @ 16:30:34

早稲田大学連携授業、担当の田辺からの報告です。

早稲田大学 教育学部 松本先生に講演をしていただきました。

松本先生は教育学の中でも教育社会学について研究をされています。
そこで、「私たちはなぜ学校に通おうとするのか?」をテーマにお話をしていただきました。
まずは、学校についての基本情報についてです。

 

◯全日制と定時制あわせると約5000校
→生徒達は約1000校くらいあると予想していたので予想よりも多く学校があることに驚いていました。
◯国立、公立、私立では公立が一番多い。
→東京にいると私立が多いイメージがありますが、地方は公立が多いということでここも想像と違ったようです。

そして今回のテーマ、「義務教育は中学までなのに、なぜ多くの人間が高校・大学に通っているのか?」
についてです。
学校の役割として
①社会化
②選抜
③正当化
の3つがあり、それぞれについてわかりやすくお話していただきました。

①社会化
社会秩序が乱れないように共通の知識や価値を伝えていかなければいけない。
学校は教科の内容だけでなく社会規範を教えている(訓育)。
個人には集団に見合った役割を果たす必要があり、学校はその訓練を行う場である。

②選抜(テスト)
家柄ではなく個人の能力が職業につくために求められるようになった。
学校は成績にもとづいて個人を序列化する場である。
「教育が個人の地位を左右し(メリトクラシー)、努力すれはその分だけよい職業(地位)に到達できる」
と歴史の中でわかったから人々は学校に通い努力する。

③正当化
学歴は努力の証明とみんながわかっているので、よい学校を目指して競争するようになった。
ただ、現代人はこれが成り立たないことを知っている。

生徒達にとっては当たり前のように通っている学校ですが
学校に通うということに歴史的な意味があることを論理的に理解できた授業でした。