特別講座 編集の仕事 ⑤
特別講座 編集の仕事の続きです。担当の江頭からご紹介します。
4年生の特別講座「雑誌の編集をしてみよう」の番外編として、11月24日・26日・27日の3回に渡って(株)角川マーケティング「週刊ザテレビジョン」編集部見学を実施しました。
講座の締めくくりに自分たちで雑誌を作ることになっており、今回の編集部見学はこの雑誌の記事にまとめるための取材でもあります。それもあって、生徒達は必死にメモを取っていました。最初に会議室で、編集長の藤田さんから「礼儀を欠かない範囲で少しだけ図々しくなった方が、いろいろな豊かな経験ができるものですよ。遠慮しないでどんどん質問して、どんどん写真も撮って下さい。編集長の私が許可しているのだから、君たちは遠慮する必要はありません」とお話しをして下さいました。
このお言葉、借りてきた猫のように縮こまっていた生徒達にはとても心強かったようです。
編集部の方々はどの方も嫌な顔ひとつせず、真剣に生徒達の質問に答えて下さいました。
仕事の内容から編集者を志望した動機、やりがい、担当のタレントさんについてなどなど、かなり突っ込んだ質問がどんどん飛び出します。中には「上司との確執はありますか?」など、傍で聞いていてヒヤヒヤするような質問も。 そんな失礼な(?)質問に対しても寛容に対応して下さるのは、仕事を楽しんでいるという心の余裕ゆえなのでしょうか。やりがいをもって生き生きと働いている様子が言葉の端々から伝わってきました。
その上、ドラマや映画の台本、制作中のゲラなど決して普段は見ることのできない貴重な資料も拝見させていただいて、生徒達は大感激です。
さらに「ザテレビジョン」の表紙の撮影に使っているレモンを持って記念撮影をさせていただくなど、これでもか、というほどのサービスぶり。
第1回の編集部訪問の際にはタレントの池田鉄洋さんにお会いすることもできました。
ちょうど「お正月超特大号」のプレゼントページ用の写真撮影を行っていたのです。池田鉄洋さんは「ザテレビジョン」の巻末コラムを連載中。生徒も毎回楽しく読ませていただいているようで、会えると聞いて大喜びです。「誰が最初に握手させて下さいと言うか」などの相談までしていました(笑)。
実は、引率の私は「サラリーマンNEO」が大好きで、「あのイケテツさんですか??」とこの時ばかりは生徒と一緒に大はしゃぎをしてしまいました。池田鉄洋さんは、とても気さくで画面で見るよりずっとかっこよかったです(笑)。
一緒に写真も撮らせていただきました。みんな、満面の笑みです。
実は、この時期は「お正月超特大号」の締め切りが迫る、一年で最も忙しい時期だったそうです。編集部には仮眠用のホテルの部屋のキーが置いてあり、ホワイトボードには、締め切り間近であることを感じさせる「やれば、終わる。」という言葉が貼ってあります(笑)。(実は、これは藤田さんが貼ったらしいです(笑))。あちこちで電話をかけていたり必死に編集作業をしていたりする緊迫した空気の漂う中、それでもここまで私達のためにあれこれと対応して下さる編集部の方々には、本当に頭が下がりました。 「読者利益」を掲げ、読者の「知的温度」を少しでも上げようと読者のために尽くす。そういう姿勢に直に触れることができた気がします。仕事に対する真摯な姿勢というものを学ぶこともできました。雑誌発行部数NO1のヒミツはこういうところにあるのかもしれませんね。
取材を終えた後、再び会議室に戻り、藤田さんから講座の締めくくりのお話を伺いました。
第3回の編集部訪問の終わった後には、この時手作りのお礼メッセージを藤田さんにお渡ししました。その作品のすばらしいこと!中には、藤田さんの似顔絵とレモンをモチーフにした「飛び出すメッセージカード」を作った生徒もいました。
【カード】高校生の自分達のために、こんなにまで親切にしていただいたという今回の体験は、生徒の心に深く深くしみこんだようです。帰り道では、誰もがその感謝の気持ちを興奮気味に口にしていました。こんな風に自然に感謝の心が湧いてきて、何か恩返しをしたいと心から思う。そういう経験をした人は、きっと社会に恩返ししようと次世代のために貢献する大人になってくれることでしょう。そんなことを感じさせられた編集部訪問でした。