2009/12/7 月曜日

特別講座 編集の仕事 ③

カテゴリー: 28プロジェクト:社会,授業・学習・進学 — 漆 @ 15:56:26

今日は自宅学習日。明日からいよいよ期末テストです。

ザ・テレビジョン」編集長の藤田さんによる特別講座の続きを江頭からご紹介します。

先週、出版社にお勤めの女性とお話しして、この職業を目指したきっかけは?とお聞きしたら、「子供の頃、学校の先生から文章をほめられたこと。それから文字で自分を表現することに目覚めて活字が好きになった」とおっしゃっていました。

今回の講座では生徒の作品を藤田さんがたくさんほめてくださいました。この特別講座から将来の編集者が生まれるかもしれませんね。

第3回の講座の最初は、前回の課題の発表から始まりました。  

9.jpg どの班の発表も、様々に工夫がなされており、見ていてとても楽しいものに仕上がっていました。1週間弱しかない短い時間で斯くまでも・・・と思うような力作ばかりです。
4.jpg 紙芝居、フリップ、指し棒、などの小道具を用意した班、パワーポイントにまとめた班、黒板にキャッチコピーやタイトルを書いた班、などなど、発表の仕方もそれぞれの個性が出ています。 順番に6班の発表を終えた後、藤田さんに講評していただきました。

2.jpgその講評は、なるほどと思わせるもので、編集者の視線から見て優れている点を次々に指摘して下さいました。以下、長くなりますが、発表の様子と講評についてご紹介します。

1班は、時系列に沿った発表。これはドキュメンタリー的な手法を用いて、突っ込んだ取材をしてあるところがすばらしい。

 2班は、注目したテーマにそってタレントの魅力にぐっとフォーカスを絞ってあり、非常に高い編集能力がある。また、追加取材がしてあり、最後にタレントの活動の宣伝という落としどころに持っていくうまさがすばらしい。  

3班は、食生活というポイントに絞って、言葉だけでなく写真も効果的に用いてあり、ビジュアル・デザイン的感覚に優れた発表になっていた。  

4班は、ダジャレを効果的に用いて、キャッチコピーを上手に使っている点がすばらしい。  

5班は、わざとタレントの既成のイメージを覆そうと既成のイメージの「裏」にあるものに注目していた。それを伝えるために、材料をそろえて仮定を証明していく手腕がすばらしい。また、イメージのふくらむタイトルを上手につけたり、「ここだけのヒミツ」といいつつタレントが使用する商品を紹介したりしてあって、タレントの一歩先までの興味を引き出す工夫がなされている。  

6班は、一見意味の分からないキャッチコピーを用いて関心をかき立てるという優れたコピーライティング能力を発揮している。また、最後に種明かしをするミステリー的な手法を用いたり、読者に「私にも・・・」という夢や希望を持たせたりする工夫がなされていて、非常に高いリコメンド能力を発揮している。 

こんな感じで、それぞれについてよい点を具体的に挙げながら褒めていただいて、生徒たちは大喜び。私達教員まで、嬉しくなってしまいました。流石、品女の生徒はすばらしい(笑)。 

さらに、全ての班が締め切りに間に合わせ5分という発表制限時間をしっかり守っていた、という点についても褒めていただきました。

特に、発表制限時間に収めるためにどの班も繰り返しリハーサルを行い、念入りに準備していたことが伺える点を高く評価していただきました。実際、朝早くから集まるなどしてかなり準備をしていたようで、それが伝わったのが生徒にはとても嬉しかったようです。

自分で一度作ったものを何度も見直して、推敲する、見つめ直すということを実践することは、非常に大切。受け取る人にどう伝わるか、一歩踏みとどまって決められた文字量や時間を守りつつ考え抜くこと。そういう訓練を普段からしておくことはとても大切だ、という言葉は生徒の心に響いたことでしょう。 

講評が終わった後は、「写真の撮影をやってみよう。」という活動です。友達と撮影し合います。その後で、実は顔の表情を豊かにするには、顔の近くに持っていった手の表情を合わせて使うと効果的なのだ、というお話しを聞かせていただきました。  

 「ザテレビジョン」の表紙では毎回タレントさんがレモンを持っていますが、それも手に何か持つことによって表情が豊かになる、という秘訣から生まれた伝統なのだそうです。1982年の創刊号で薬師丸ひろ子さんが表紙の撮影をしたときに、固い表情を和らげるためにレモンを持ったのが始まりだとか。 

 さらに、その後、編集者の仕事は自分で記事を書くだけでなく、カメラマンやライターさんに仕事を依頼してアレンジすることもする、という話をしていただきました。小説家に小説の企画を提示して書いてもらう、ということもあるそうです。  

 そこで、今回は当たる小説の黄金律を教えていただき、それを参考に小説の企画を立てることが課題として出されました。  

 班で一つ、冒険小説か恋愛小説の企画を立ててくること。教わった黄金律に具体的な肉付けをして小説のプロットを考え、その小説の内容を発表します。 

こんな風にいよいよ講座も佳境に入って来た感じで、第3回は終了しました。  

以下に、生徒の感想を挙げてみます。  

・  色々な班の発表を見て、自分たちの班があっていたのかは分からなかったけれど、どの班も独特で楽しかったです。恋愛小説や冒険小説の書き方や構成を知って、今まで読んでいた本や見ていたドラマが全て似たような構成になっていることに驚きました。また、小説を書くことも編集に関係あることを初めて知りました。みんなの発表を見てみたり、自分たちで考えたことを発表するのは楽しかったです! 

・  他の班の課題を見て、タイトルが面白かったり、発表の仕方に工夫がされていたり、自分たちでは考えつかなかったものも発見でき、とても参考になりました。テレビジョンのレモンのお話しを聞くことができ、知らなかったことなので嬉しかったです。「他人からどう見えるか」というのは、編集・雑誌に関わらず、今の生活にも活かせることであり、自分ももっと「他人からどう見えるか」ということを意識して今後過ごしていけたら素敵だと思いました。小説の作成は難しく、大変そうに感じますが、「黄金律」を意識していいものができたらいいなと思います。 

・  今回の発表のときに、これでいいのかなと不安に思ったんですが、藤田先生は一つ一つの班にたくさんの感想を言っていて、こんな発表にほめるところをたくさん見つけるのはすごいと思いました!!小説を書くという課題は少し難しいけど、黄金律を使ってちゃんと作っていきたいと思います!