2009/11/21 土曜日

早稲田大学出張授業 4年生対象 ①

カテゴリー: 授業・学習・進学,早稲田大学 — 漆 @ 13:05:35

早稲田大学との高大連携モデルプロジェクトの一環で、出張授業をお願いしています。前回の5年生対象の講座に引き続き、4年生にも授業をしていただきました。

その時の様子を担当の教員からご紹介していきます。
まず一講座目は、数学科の田中からです。

基幹理工学部 機械科学・航空工学科 西田進一先生による特別講義
 
_mg_0415.jpg講義内容は、導入として早稲田大学及び先生自身の自己紹介、学科紹介と卒業生の進路についての話に続き、航空機の材料についての講義がありました。以下に、その概略を紹介します。
 
基幹理工学部は学部一括に募集され、2年次に進級の際に所属学科が決定される所謂“進学振り分け制度”が導入されているとのことでした。(因みに理工学関連の他の2学部は学科別に募集される。)その分、興味が多岐にわたっていたり、明確に定まっていなかったりした場合にも1年間かけてじっくり考えられるというメリットがある一方、希望者の多い学科へは成績による選抜あり、希望が叶わないというケースもあり、やはり物事一長一短?
 
_mg_0418.jpg機械科学・航空工学科の卒業生は主に電気機器メーカー、自動車メーカー等、その専門性をフルに発揮できる仕事に就くことができるという理系のメリットが強調されていました。また、ジェットエンジンの仕組みや自律飛行機の開発等航空工学を専門に研究する学生の中には航空関連に就職する人ももちろんいるそうです。
 
《航空機の材料について》
(実際に航空機に使用されている金属片(マグネシウム合金、アルミニウム合金、ニッケル合金、発砲アルミニウムの4種類)を生徒に触れさせながら)
 
“航空機の胴体や翼にはどのような材料が使われているでしょうか?”
 
“鉄!” “アルミ!” “スポンジ!”
 
“スポンジ??・・・まあ、座席には使われているかもしれませんが、飛行機の胴体にはちょっと・・・
 
スポンジはともかくとして、燃料の節約やCO2の排出量を減らすためには航空機自体を軽くすることが必要となってくるため、鉄などの重い金属は使われず、エアバスA380やボーイングB787のように、これからの飛行機はその胴体と翼の半分以上にCFRPというカーボンファイバーを練り込んだプラスチックが使われるようになります。”
 
飛行機を“鉄”の固まりと表現されることがあるせいか、『鉄でできているとばかり思っていたが、プラスチックが半分以上も使われていると知ってびっくりしました。』というような感想を述べている生徒が目立ちました。そのほか、初めて聞くジェットエンジンの仕組みやリモコンではなく自分でバランスを保ちながら飛ぶ自律飛行機、さらに“次世代スペースシャトル”の話に熱心に聞き入っていました。
 
高校生が対象ということがあって、専門的な話はそれほど深い内容にはいたらなかったようですが、理系の学生の様子を垣間見ることのできた今回の話の内容は、受講した生徒にとって是非とも理系へという想いを新たにするには十分だったという印象を受けました。これをきっかけに理数の勉強に弾みがつくことを期待したいです。