マンホール チルドレン
17日の日記で、ご紹介したモンゴルの孤児支援をしているNGOゆいまーるハミングバーズの女子学生が学校を訪ねてきました。
この活動を始めたきっかけはと訪ねたところ、代表の照屋さんはこのような話をしてくれました。
中学のとき、学校に足が向かず、遊び歩、親に反抗ばかりしていた。そんなある日、学校でモンゴルのマンホール・チルドレンの写真展を見た。
マイナス30度という環境の中、孤児達が暖を求めてマンホールの中で生活しているという写真だった。自分の弟と同じくらいの子が親もなく生活し、ネズミに唇をかみ切られたりしている様子を見てショックをうけた。
そして、それまで「私は世界一不幸」と思いこんで学校もやめようとしていた自分にはっとし、「いったい何をしているんだろう?」と情けなくなった。
それ以来、「この子達を助けられる人になりたい」と生活が180度変わった。
子供達を守る法律を学ぶため、当時、法学部に国際関係の学科があった早稲田大学を目指し、高校からbe動詞の勉強から始めて、合格。
さらに途上国の法整備の勉強を続ける為、上智大法科大学院に進学し、この活動を続けている。
そして、もう一人の女子学生もこんな話をしてくれました。
親族で経営していた会社がうまくいかなくなり、家がなくなり家族もバラバラになってしまった。そんな現実から逃げたいという思いでモンゴルに行った。そこで、たまたま孤児院に行く機会があった。
孤児達が「自分は屋根のあるところで寝ることもでき、勉強することもできてとても幸せ。もっと勉強して、ここの小さい子供達に学んだことを伝えたい」と笑顔で語るのを見て、私は不幸だと思っていた自分にはっとして、自分の持っているものをもっと活かそうと思った。
一橋大学の商学部に通いながら、なぜ商学なのか意味を見いだせないでいたが、NGOの経営ということにそれが活きることを知ってそれからは、身を入れて学び、この活動に参加するようになった。
そして、口をそろえて、「これから進学しようとする人にこそこういう活動をしってほしい。何の為に学ぶのか、モチベーションがあがるから」と言っていました。
この二人の話を聞いていて、16日のブログでご紹介した木山啓子さんの「絶望した人がそこから立ち上がれるのは他の誰かの役に立ちたいと思ったとき」という言葉を思い出しました。
もちろん、すべての人にこういうことが当てはまるとは言えません。
それが何につながるかに関わらず学問そのものの魅力にはまる人もいるでしょう。
何かの役に立つ立たないに関わらず、好きでやっていたことが結果として人の役に立つこともあるでしょう。
ただ、在校生、卒業生がいつか自分の道で壁に当たったとき、こういうこともあるのだと思い出してもらえたらと思うのです。
明日のオープンキャンパスでは、インターアクト部が、スペシャルオリンピックスのミサンガ編みのコーナーで、このゆいまーるハミングバードの資料も展示する予定です。