マレーシアからのお客さま
本日、国立マレーシア国民大学教育学部の先生方が学校見学にいらっしゃいました。
マレーシアは現在、理科・科学教育のカリキュラム改革を進めており、従来の知識偏重型の教育から、どうすれば科学的思考を延ばす教育に変化させられるかを調査しているそうです。
今回の訪問では日本の高校での理数科教育の実際を学びたいということで、4年生の理科の授業を見学なさいました。
私は以前、環太平洋教育者会議というのに参加したことがあるのですが、その際、日本より経済的には恵まれない国々が、教育に関しては予算の優先順位も高く、長期的なビジョンを持って取り組んでいるのを目の当たりし、焦りを感じました。
言うまでもなく、国を支えるのは「人」です。そして、人を育てるには時間がかかります。その間にコロコロと教育政策を変更していては結果がでません。
(私は都立日比谷高校出身なので、超進学校→学校群→進学重点校と、都の教育行政の方針変更で学校が右に左にぶれることを実際に体験しました)
教育は長期的な視野に立って行うことが不可欠です。
大切なこと(本校で言えばミッション)は変えず、その大切なことのために現場に合わせて仕組みをどんどん改革していくスピードが必要なのです。
ある時、文科省の委員会で「現場の目から見るとこうした方がいいし、早い」と提案すると、「隣の課とかぶる案は難しい」と答えが返ってきたことがあります。
国の教育再生にはまだまだ時間がかかるでしょう。目の前の生徒は成長を待ってくれません。
生徒の顔を見ているときも、この国の将来を考るときも、私たち私学は公立より自由な立場を活かし、創立以来の長期的なビジョンに基づき、次世代の日本を支える人材を育てていかなければとの責任を感じます。
(写真:マレーシアの先生と、ご紹介くださった上智大の先生と)