卒業生の勤務先で
連休は卒業生が勤める教育関連企業の周年行事のパネルディスカッションに参加させていただきました。
もうお一人のゲストが京都の堀川高校の荒瀬校長(堀川の奇跡と呼ばれる学校改革をなさった方)でした。
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演なさったときのDVDとご著書『奇跡と呼ばれた学校―国公立大合格者30倍のひみつ 』で予習をしていきましたが、実際にお聞きするお話は息をのむような臨場感がありました。
「探求力と合格力の二兎を追う」「生徒へのサービスとは与えることと与えないこと」等々、心に残る言葉が多くありました。会の終了後もいろいろと質問をさせていただいて、本当に貴重な機会でした。
目の前の生徒の将来を思うとき、まだまだやらなければならないことは多く、進めば新たに課題が生じ、学校の改革には終わりがないなぁと気持ちを新たにしました。
「先達はあらまほしきこと」ですね。
さて、こちらの会社は若手や女性が活躍する場が多く、この記念行事も幹事は入社4年目の方々で、16人のうち、女性が12人だそうです。品女卒業生は、今ちょうど28歳です。
出迎えに来たその子の顔を見て、思わず、
「変わらないわねぇ」と言うと、
「ええ、リクルートスーツで。私、教育実習のときと変わりませんよね」(いや、変わらないのは中1のときから)
事前打ち合わせに学校取材に来、荒瀬先生のDVDを送ってくれ、私が迷わないよう確認が何度もあって、当日までの段取りがよく、到着してからは裏方の仕事をしながら、私が緊張して喉が渇いたなと思う頃にはお茶が出て、「荷物は?」「楽屋の鍵は預かりましょうか?」「途中で戻って休憩なさいますか?」とかゆいところに手が届く感じです。
お茶の出し方を間違えて「あら、私、面白いことやっちゃった」と言うので、「今の生徒は全員茶道やってるのよ」と言うと、「私のときはお茶を頂く作法までだったので(笑)」 (ごめん。卒業後バージョンアップしたことはアフターサービスつけなきゃね)
親ばかですが、本校の生徒はこういうホスピタリティーの高いところがいいところです。
先月の文化祭のときも、生徒主催の説明会で挨拶が終わった後、5年生の生徒に
「先生、この後はどこにいらっしゃいますか?次の場所まで誘導しましょうか?」と言われました。(校内だから迷わないと思うんだけど・・・)
また、先日、雨の中、荷物が大きかったのでえいやっと傘をささずに学校を出たら、6年生が3人、バラバラとよってきて傘を差し掛け、「先生、傘は?」「ご自宅、近いんですよね。お送りしましょうか」と声をかけられました。(中等部のとき、同じ信号まちでフライドチキン食べてて叱った子がこんなに成長して・・・とジーンときました)
と、生徒自慢しているときりがないので、卒業生の話に戻ります。
彼女は在校生だったときは、勉強に行事に全力投球、まさに「マルチタスク」を抱える生徒でした。周りの方に「ちゃんと仕事してますか?」と様子を聞くと、「本当にしっかりしてます。結婚後も家庭と両立してよくやっているんですよ」と、割り引いて聞いてもいい評判に、思わずうれしくなりました。
品川女子学院の教育の一つ目のゴールは28歳。こういう姿を見ることが何よりの喜びです。
終了後、頂いたお花が「白ばら」でした。
(なのに私、食事のあといい気分で忘れて来てしまいました。今日、宅配で届いて受付に飾りました。何から何までごめん。これが生徒を育ててるのかも・・・)
今週もがんばろっと。