2009/9/12 土曜日

早稲田大学 出張授業③

カテゴリー: 授業・学習・進学,早稲田大学 — 漆 @ 8:42:05

早稲田の続きです。

教育学部からは矢口徹也先生にお越しいただきました。

wasedasensei3.jpg テーマは「女子教育と洋装化の歴史」

こちらも実習生がメモをとってくれました。

昔の女子高生にあたる女学生の写真をスライドで見せていただき、教育制度と服装がどう関わり、その歴史の中で女性がどう生きてきたかのお話しを伺いました。

・着物の時代→女性はどんなに学力があっても通える学校というものが存在しなかった。

・少年少女雑誌の誕生(大正・昭和)→教育制度の進歩と同時に少年少女向けの雑誌が出版され、本を読むことで字を学び、夢を持たせる機会が増えた。

・洋装(明治)→役人・軍人・学生の洋装化が進んだが、女性の洋装ははしたないとされた。学校制度での差別があった。ベルツ医師の講演で、着物は健康に悪いとされ、運動しやすいよう袴スタイルに変化した。

・明治時代は女性が勉強すること、社会に進出することにかなり抵抗があった。それを乗り越える努力をして、学校制度の進展と共に女性が社会に進出していった。
「教育とはいい大学に入るためでなく、その後にどう生きたいか、社会に進出していくために受けるものである」

生徒の感想を一部省略して載せます。

■明治女性が学校に行けなかったことに驚いた。大正・昭和にも今より激しい受験競争があったことにも驚いた。女性はいろいろな差別を乗り越えてきたんだなと知った。

■今、自分の好きな道に進めるというのはとても恵まれていることなのだとあらためて思いました。

本校の昔の写真も紹介してくださったそうです。
本校の創立者は明治時代に女性である自分が高等教育を受けられたことに深く感謝して、その恩を世の中に返したいという思いから大正時代にこの学校を創立しました。
創立者はよく、「感恩奉仕」とか「報恩」という言葉を使っていましたが、矢口先生のお話からその思いに至った時代背景がよくわかりました。

生徒達も、今、当たり前に手に入っていることが当たり前でなかった時代があったことを、あらためて実感したようです。