⑦教科イチ押し見学会(小林理学研究所)
今日はこれから合唱祭でゆうぽうとへ。終了後、夕方からは元文部科学副大臣の鈴木寛氏が来校し、起業家講座があります。3大行事の日でも参加申し込みがあり、マルチタスクに強い品女生です。
さて、理科のイチ押しです。本校の理科科では、自分の目で見て考えることを大切にしていて、1年生の一分野で18回、二分野で13回、中等部で70回の実験を行っています。そして、その度にレポートを書きます。先日、20代担任の説明会を聞いていたら、こんな説明をしていました。
「実験では思い通りの結果が出ないことがある。でも、その自分の出した結果を大切にして書くように指導している。生徒は教科書通りの正解を書かなくてはいけないと思いがち。でも、それより、失敗したとしてもなぜその結果になったのかを考えるプロセスこそが大切」
これは、社会に出てから何かにチャレンジするときすべてに応用できます。初めてやることは予想通りには行かないものです。でも、すべてを実験ととらえ、計画⇒実行⇒考察⇒再び実行というサイクルを回せるようになれば、落ち込むことなく、失敗から学び、諦めずにやり続けることができるでしょう。
担当の横井からの報告です。
12月17日、1年生30名が小林理学研究所を見学させていただきました。
小林理学研究所は、世界でも珍しい「音」の研究を行っている研究所です。
音は日常の中にあふれていますが、意識することはなかなかないかと思います。
そこで、事前に音とは何なのか各自で調べた上で、見学に臨みました。見学した施設は次の通りです。
①無響室
吸音材を敷き詰め、床は金網を張りめぐらせ、部屋自体を天井から吊るしているという、音の響かない部屋です。
ここで聞く声はいつもと違うように聞こえるのですが、ここで聞く声こそ本当の声なのだそうです。
また、静かだと落ち着くと言いますが、無響室ほど音がないと、逆にそわそわしてしまいます。部屋から出てきた生徒たちは、一安心といった表情を浮かべていました。②低周波音発生装置・超低周波音発生装置
まず、私たちが不快に感じる40Hzの音聞きました。
すると、スピーカーの近くではなく、部屋の隅の方が音が大きくなっていました。
これは定在波というものだそうです。学年が上がると、物理の授業で習います。
続いて、7Hzの音を聞きました。聞くと言っても、私たちが聞くことのできない音です。その聞こえない音が、窓をカタカタと揺らしていました。ポルターガイスト現象と言われているものの一つです。③残響室
音が響くようにできている部屋です。
コンサートホールや住宅などでの音の響き方を調べる際に使うそうです。
私たち自身も吸音材となるので、30人で入ったときと半分に分かれたときとでは響き方が違っていました。
また、大声を出しても隣に聞こえないのに、手を叩いた音は伝わったのは何でだろうと、良い疑問も出ていました。④模型室
住宅街や道路などの模型を作り、騒音問題の検証などをしている部屋です。
無響室に似ていますが、違うところが一つ。実際の環境に近づけるために、床は音を吸収しないようにできています。この違いに、見事気付くことができた人がいました。
⑤音響科学博物館
音にまつわる様々な品が展示されている部屋です。
実際に触れて音を感じることができるので、童心にかえってたくさんの音に触れていました。
最後は、音についての説明と、理系女子ということで、小林理学研究所唯一の女性と研究に来ている大学院生の方のお話をうかがいました。
進路選択はまだ少し先の話ですが、とても参考になったようです。五感を使って音について学び、新たな発見ができました。
今後の授業で、今日体験したことを思い出してもらえると良いなと思います。以下、生徒の感想からの抜粋です。
・私たちの身近な生活の中にも音はとっても関係していて、昔から大切なものだったんだと感じた。
・今まで受験勉強などで学べなかったことが学べた
・今まで音がなぜ伝わるのかなどはほとんど考えたことがなかったけど、今回はその理由と音の様々な使い道を知ることができた。
・世の中にある音などをここで研究し、騒音被害を減らしてくれていて感動しました。
・昔の楽器と今の楽器と少し似ていて、どれが今の何の楽器か見て分かった。小林理学研究所の皆様、お忙しい中ありがとうございました。