2014/1/4 土曜日

①教科イチ押し見学会(みずほ銀行品川支店)

カテゴリー: 28プロジェクト:社会,授業・学習・進学 — 漆 @ 16:03:27

今日から学校も新年のスタートです。みなさん、年末年始はいかがでしたでしょう?

私は福島に帰省してきました。
新年の食卓でも、山のキノコはまだ駄目だとか、この干し柿は放射能検査済みだから大丈夫だとかいう話が出て、日常が戻ってきていないことを実感します。

一方、地震の被害を受けた夫の出身小学校の前を通りかかると、新校舎が完成し、生まれ変わったようになっていました。
そして、震災後に生まれた甥の子どもは、もうしゃべるまでに成長していました。

年末にはソーシャルビジネスの会で福島高校の生徒さんが、自分たちが行っている復興の具体策を発表してくれました。女子高生未来会議でも、東北の高校生たちが、自分たちが社会にお返ししなければと語っていました。

大人にはいろいろな立場があり、復興が一本道で進まない難しさも感じますが、次世代を担う子供達が確実に成長していることを頼もしく感じました。

12月に行いました教科イチ押し見学会の様子をご紹介します。

担当の重田からの報告です。

◇青物横丁駅にて9:45集合
時間を間違えた人が一人。それでも品川女子学院のご近所ですからさすがに路線を間違えたり、駅を間違えたりする失敗はありませんでした。何とかお約束時間ジャストに現地に到着することができました。

◇そもそも銀行とは?
若い女性行員の方と男性行員の方に先導され、銀行2階の会議室へ入りました。
最初に、みずほ銀行品川支店長様から、「そもそも銀行とは?」というお話を伺いました。世の中のすべての企業活動には、資金が不可欠であり、その資金によって企業活動が行われ、そこで生まれた利益が給与として支払われる。すると各家庭で生活に使われ、それが個人消費となり、他の企業の新たな利益につながっていく・・
このような資金循環の仕組みについて、「お金=血液」、「銀行=心臓」というイメージを示してわかりやすく説明してくださいました。
みずほ銀行の方々が、世の中という身体に血液を送り出す銀行のお仕事に対して、強い使命感と誇りをもっておられる姿がとても印象的でした。次に、物々交換の段階から「お金」が生まれ、銀行が誕生するまでの流れを、かわいいクレイ動画で説明した英語版ビデオも見せていただいて、生徒達は一層理解が深まった様子でした。

◇銀行の仕事の4つの大きな柱とは?
その後は、別の日本語VTRで銀行業務について詳しく解説をしていただきました。銀行の仕事には、以下の大きな4つの柱があるということが良く理解できました。

〈預金〉安全性・浪費防止・利息という3つのメリットがある。
〈貸出〉預金者のお金を信用できる企業に貸し出し、企業は利息をつけて返済。その利息が、預金者の利息と銀行の利益となる。
〈送金〉安全性・利便性というメリットがある。
〈両替〉外貨両替が貿易活動を支えている。

◇店内見学
誰もが知っている1階のいつもの窓口だけでなく、富裕層向けのVIPルームやATMの裏側、金庫の中までも見学させていただきました。
生徒達は「ATMの裏ってこんなになってるんだ~!」「やっぱり金庫って厳重だね」と口々に感想を延べながら、興味津々という様子で目を輝かせていました。
特に、金庫内で一人一人が籠に入った本物の1億円を持たせていただいた時には、そのずっしりとした重さに驚きを隠せない様子でした。つましく普通に生活していたら、なかなか1億円を抱えるチャンスはありません。なかなか得がたい体験をさせていただいたと思います。
1階のいつもの窓口も、カウンターの内側から見るとかなり違う感じに見えて、視点の位置によってこんなにも感覚が違うのだなあという意外さも感じました。

◇お仕事体験
もう一度会議室に戻ると、一人一人に帯のついた模擬紙幣100万円分が配布されました。
言わずと知れた紙幣の枚数確認作業のお仕事体験のスタートです。お札の枚数確認のやり方は主に以下の2通りだそうです。

・縦に持ってめくりながらカウントするやり方
・扇のように広げて5枚ずつカウントするやり方
どちらもなかなか難しく、生徒達は苦戦していました。
しかし、行員の方々の手にかかると模擬紙幣があっという間に美しい扇形に広がります。生徒達は、しきりに感心して一心に練習していました。しばらくすると、かなり上手にできるようになった器用な生徒もいました。

◇質疑応答
最後は副支店長様や預金担当の方や小さいお子さんを持ちの女性行員の方にもご同席いただき、ゆっくりと質疑応答の時間を設けていただきました。
以下に生徒達から出た質問事項の一部をご紹介します。

Q、みずほ銀行の全口座数はどれくらいですか。
A、約2400万口座です。

Q、個人預金者の最高額は、どれくらいですか。
A、個人情報に関わりますのでそれは答えることができません。でも個人口座の全体の預金額は、お答えすることができます。全部で36兆円ほどです。(額の大きさに驚きの声が漏れていました)

Q、融資先の審査基準はどのようなものですか?
A、ドラマ半沢直樹などが放映されて興味をお持ちなのですね(笑)
実はいろいろな厳しい基準があって一口には説明できませんが、大雑把に説明すると、基本的には事業内容を見て、決算書を見て、企業の将来性を考え、その企業を運営している「人」を見ます。

Q、金庫のセキュリティーはどのようになっているのですか。
A、金庫は4つの鍵で守られています。さらに、人を感知するセンサーが働いていて異常があると契約している警備会社が5分以内に駆けつけます。

Q、銀行に採用される為には、どのような勉強をしておいたら良いですか。理系出身者の働く場はありますか。
A、採用する学部は限定していません。是非大学時代に人に語れるほど熱中した何かを見つけて欲しいと思います。理系学部を出た人たちもいろいろな部署で働いています。金融工学やコンピューターシステムの知識を生かしてその分野で活躍している人が多いです。

Q、銀行員になって良かったことは何ですか。
A、いろいろな業種の人たちと会い、話すことができることです。また、なかなか面会できないような大きな企業の幹部の方たちとも話をする機会があり、とても学ぶことが多いです。また、自分が融資を担当した小さな企業が成長し、だんだん大きくなっていく様子を見たりすると、会社を運営していく人々の夢を実現するお手伝いができる喜びを感じ、とても嬉しく思います。

 

*1月6日(月)日本経済新聞(朝刊)の「私の日経時間」にインタビューが掲載される予定です。

*1月6日~ダイヤモンドオンラインの書籍オンラインにて昨年の連載が再掲載されます。