2013/10/3 木曜日

起業体験プログラム表彰 ②

カテゴリー: 28プロジェクト:社会,行事 — 漆 @ 17:36:55

昨日の続きです。私も期間中、何度か見に行きましたが、各クラス、それぞれに工夫がありました。

■4年A組「株式会社白井組」つくるのは、やきそばです
B級グルメの街おこしをヒントに、ご当地のやきそば対決を企画しました。その着眼点がおもしろかったです。私が案内した来客は、「主食系店舗が少ないところを狙ったポジショニングがいいですね」とおいしそうに食べていました。

■4年B組「mocho’s kitchen」もちょこれーと屋アイスクリーム
フェアトレードのカカオを使ったアイスを販売しました。社会科でも学ぶ、フェアトレードという概念を来場者に伝えようとしたところに社会貢献生が感じられました。展示も、iPadやテレビを使うなど工夫していておもしろかったです。

■4年C組「(湯)大川組」風呂、入ってけろ
ここは入浴剤を扱いました。 震災復興をテーマに掲げ、東北地方の温泉の展示などがあり、温泉好きの私としては興味を持ちました。(値段がリーズナブルでエコバックもかわいかったので一つ購入)審査の講評に、広報がすばらしいとありました。

■4年E組「Heartful Ticket」Heartful Ticket
女性の美と健康を考えた企画で、ナチュラルな香りのハンドクリームを発注し、販売していました。私も頼まれてフランスでフィトセラピーを学んだ知人を紹介しましたが、そうした方にインタビューをしたり、教員に使用実感を聞いて広報ビデオをつくるなど事前準備もしっかりしていました。文化祭で扱える商品量でよく発注先を探せたなと感心しました。

■5年A組「あら、いいかおり」あぁ、ろまん
天然アロマスプレーを販売しました。社会のニーズをとらえ、そこに理系クラスという自分たちの強みをどう活かすかをよく考えていました。白衣を着て、来場者に調合体験を行ったり、東京農業大学を訪れて、香りについての研究を行ったりしました。教室にはよい香りがあふれて人が引きつけられていました。商品を持って私のところにも説明にきて、「さすが、5年生、やるな」という感じでした。

■5年B組「(株)connec-T-able」muffiring party
ここは、おもしろかったです。地元商店街の孝庵さんとコラボしたお菓子を販売しているのですが、各テーブルにファシリテーターとおぼしき生徒がいて、テーブルについたお客様といっしょにゲームをし、談笑しているのです。初めは照れていたお客様もみるみる和気藹々とした雰囲気になり、教室に笑いがあふれていました。「個食」という社会問題に目を向け、食卓で絆を深めるということを形にしていました。

■5年E組(株)空前絶後~今までにない体験をあなたに~」5Eアウトレットパーク
ここも発想がユニーク。毎年、人気の舞台発表は暑い体育館で見ることになるのですが、それを中継し、涼しい教室内でソフトクリームと割れせんべいを食べながら見られるという企画でした。割れせんべいという廃棄される商品に光をあてたアイディアもよかったです。このおせんべいも学校から歩いて3分の地元商店街「あきおか」の製品です。(私はここの「品川巻」をお土産にしています)ソフトクリームの機械が故障するというトラブルもあり苦戦しましたが、初めてのチャレンジに失敗はつきもの。失敗=後輩への貢献として、きっと来年に活かされると思います。

このプログラムでは社会性と事業性の両方を大切にしています。

何のためにという企業理念、社会貢献性がなければ存在する価値がなく、思いだけで事業性がなければ存続することができないからです。

始めた当時は日本企業が敵対的買収の危険にさらされているような時代でした。世界でやっていくために組織も個人もグローバルでの競争を視野に入れなくては、そのためには若い頃からの金融経済教育が必要という思いからスタートしました。

そして、7年。企業の価値、企業の社会貢献に対する考え方も多様化してきました。

配当のない会社に社会的意義を感じて投資する人、ネットで商品のファンを集め、出資を募って地方の中小企業を支える仕組み、寄付ではなく出資で回すビジネス・・・。

そうした社会的起業、ソーシャルビジネスという概念を現在は取り入れるようになりました。

今年の文化祭、生徒達は私たち大人の期待を超えて、成長してくれました。この経験をいつか大人になったとき、社会に還元してくれることを願っています。

昨日の写真。教職員で防災訓練をやっていたのですが、避難はしごの向こうには虹が。生徒の明るい未来を象徴しているようでした。