⑭大学出張授業(東京理科大学・理学部)
今日、明日は文化祭の準備です。朝から生徒も教員も慌ただしく動いています。
全員で取り組む行事は一人一人の考え方や温度差があり、よくもめます。特にクラス単位で動く展示などはまとめ役の上級生もいないので、室内装飾一つも意見がぶつかって廊下で議論?している姿を目にします。
階段の途中で怖い顔で話し合っているので、どうしたの?と声をかけると、「今、もめてるんです」と返ってきたり。
明日の午前中くらいまでは、たぶん、これで文化祭を迎えられるのかな?という低学年のクラスもあると思いますが、毎年、当日の朝にはなんとか形になっているので、追い詰められると調整力が発揮できるものなんですね。
言いたいことは今、言って、後で言わない。
正しいことは大きい声で言わない。
動いてもらうには相手の立場に立つことが大事。
10人いれば10個意見があってあたりまえ。
自分の意見と人の意見を混ぜて最適解を探す。
上級生の発言です。品女で過ごす6年間、大いにもめて、将来チームで仕事ができる力を身につけていってほしいです。
さて、大学教授出張授業のつづき。理学部化学科、東京理科大学を担当の石渡からご報告します。
東京理科大学 理学部 化学科 由井宏治先生
「電極と水溶液でつくる金属ナノ粒子」「宇宙の99%はプラズマからできている」という壮大な言葉からスタートした由井先生の講義。主に理系、理系志望の30名弱の生徒とともに拝聴しました。
講義は2部構成で、前半は最初のアンケートで、「聞いたことはあるが詳しくはわからない」という意見が多かった「プラズマ」について説明していただきました。
原子の状態やイオンなどは化学の授業で学んでいるため、比較的スムーズに理解できたようです。
後半はそのプラズマの利用法などより実生活に近い部分や現在研究中の応用法などを説明していただきました。
赤いステンドグラス、選挙ポスターの表面加工、様々なところでプラズマを用いた技術は用いられています。
講義全体を通して、由井先生は「理系とは」というところを伝えてくださいました。
「原理や技術はもちろん大切だが、それが発達していく推進力は疑問を持つことである」。
様々な触媒を用いて(実際に多くの金属をお持ちいただきました)、ふとした興味、疑問から研究を進めていく。
それは生徒にも伝わっていたようで、事後アンケートでは多くの生徒が「疑問の大切さ」という言葉を書いていました。