④起業体験プログラム準備講座
今野浩一さんによる生徒の質問に対するコメントその4です。バズ・セッションは私も道徳の授業で使う手法です。1年生の始めのころ、みんなの前で意見を言うのは勇気のいることです。でも、隣の友達となら気軽に話せます。そして、そのあとだと、自信をもって話すことができるのです。
また、意見が出ないときは待つ。というのは親子のコミュニケーションにも応用できますね。新刊『女の子の未来が輝く子育て』でも、聴き方、話すときのタイプの違い(特に体感覚に落としてから話す子は時間がかかります)また、目の動きから心の動きを察する方法を書いています。
質問4:話し合いの時、なかなか良い意見が出てこなくて、少し悪い雰囲気になってしまいました。 もっと個人個人を知って意見を出しやすい環境を作るためにはどうしたらよいでしょうか。
コメント: ミーティングで進行役をつとめているときに、意見が出ないとつらく感じたりいらいらすることがありますね。 沈黙が続くと、自分の進め方が良くないのだろうか・・とか、みんなやる気がないんだろうか・・・などと不安になることがあります。 これはリーダーや進行役の共通の悩みかもしれません。 そのため、ビジネスの世界では、ファシリテーションと呼ばれるビジネススキルをたくさんのひとが勉強しています。
そもそも・・・沈黙が続いたり、良い意見がすぐに出ないことは、悪いことなのでしょうか? 実は、沈黙しているということは、頭のなかで何かを考えている大切な時間でもあるのです。 「何か、アイディアはありませんか?」と問いかけたとしたら、質問された人は、そこから考えだします。
1分、3分、5分・・・。みんなの考える力を信じて待ってみるのも大切かなと思います。
すぐに考えがまとまる人もいれば、じっくり時間をかけて考える人もいます。 考えることや、行動する速さは人によって違います。これは速いほうがいいとか、遅いひとが良くないとかということではありません。深さとの関係もあるからです。 「人によって違う」ということを受け入れることが大切かなと思います。 そして、勇気を持って待つこと!も大切です。
前もって考えていたひとはすぐに答えてくれますが、その場で考える「場」を創り、待っていると新しい斬新なアイディアが生まれてくることがあります。 話し合う場の雰囲気を整えることが大切です。
私が、実際の会議で効果的だなと思うやりかたがあります。
「そのことについて、となりのひとと2,3分、話し合ってみてください」と呼びかけるのです。 みんなの前でいきなりアイディアを言うのには少し気が引ける人も、二人で話すのなら気兼ねなく話せることが多いようです。 また、他の人の考えを聞くことで視点や発想が広がります。 そして、共通した意見が見つかれば心強くなります。
そういうプロセスを入れた後に意見を出してもらうと、本当にいろいろな意見が出てきたりします。 これは、バズ・セッション(buzz session)と言って、会議ファシリテーションの一つの方法です。 また、3~4人で意見をまとめてもらってもいいかな・・・と思います。
とても簡単で、いつでもどこでもできる方法なので、ぜひ、参考にしてみてください。