2013/6/22 土曜日

⑤起業体験プログラム準備講座

カテゴリー: 28プロジェクト:社会,お知らせ,行事 — 漆 @ 18:20:13

今日はオープンキャンパスでした。台風だったら弓道、バトン、テニス・・・外でやるクラブは困るなぁと心配していました。途中で雨模様になり、断続的ではありましたが、多くの部活を見ていただけてよかったです。

ところで、剣道部、今年8人も新入部員が入ったそうです。顧問が防具が足りない!とうれしい悲鳴。卒業生のみなさん、もし家に眠っているのがあったら、後輩に寄付してあげてください。

今野浩一さんによる生徒の質問に対するコメント最終回です。この生徒の気持ち、よ~く分かります。みんなの話を聞いているとどれも正しいような気がしてきたり、声の大きい人や理屈の通る人に押されて「静かな多くの人」の意見を取り入れられなかったり。

仕事には○×がつく正解というのはないので、ぶつかり合う条件の中でベターな方法をまとめていくのは本当に難しいです。私も今でも、あのとき言えばよかった、あれは言い過ぎた、あの判断は軸がぶれたなぁ・・・と反省することしょっちゅうです。

あるときの文化祭で、1日目に品物を売り切り、どうするかで意見のぶつかっているクラスがありました。オリジナルでない品物にシールを貼って機会損失を防ごうという生徒、それで売れ残ったら赤字になると反対する生徒。そのとき、ある子が「この目的はなんだっけ?お客さんに喜んでもらうことだよね。」と切り出して、話がまとまっていきました。

みんなで何かをやるとき、必ず、対立は起きます。それを乗り越えていくことで生徒は成長していきます。

プレゼンの順位が発表になり、生徒は悲喜こもごもだと思いますが、残念な気持ちをみんなで共有することで挽回した先輩たちもいました。また、外からの評価は一つの結果として受け止めつつ、プレゼンで伝えきれなかった価値観を本番で存分に発表したクラスもあります。

今野さんのおっしゃるように、迷ったら、そもそもの目的、理念に立ち戻り、みんなの力で一つのものをつくりあげていきましょう。

質問5:私は人の意見によくのみこまれてしまいます。それで少し落ち込んでしまいます。
軸をぶらさないようにするための良い方法はないでしょうか。

コメント:
質問者の方は、できるだけいろいろな人の意見を尊重して、より良いアイディアや方法をまとめたい。
みんなの気持ちをできるだけ受け止めてみんなが納得して、楽しくプログラムに参加して欲しい。というようなことをいつも意識している人なのではないかなと思います。
クラスのみなさんに対する誠実さと思いやりを感じます。

そういう気持ちで、リーダーをつとめているのに、意見がうまくまとまらなかったり、対立や葛藤が残ったりすると、「人の意見にのまれてしまった」という会話が頭の中で起こり、とても残念な、あるいは落ち込んだ気持ちになるのかもしれません。
そして一方で、よいアイディアがまとまったり、みんなの気持ちが一つになったりしたときは、自分の力が発揮できた最高の瞬間となっているのではないでしょうか?

ひとりひとり、いままで生きてきた過去の経験がもとになり、違った考えや、行動のパターンを持っています。
ある状況ではとてもフィットするけど、違った状況ではうまくいかないことがあるのです。
だからそれらのパターンには、良い・悪いということは一切ありません。

たとえば、自分で物事をどんどん決めて前に進めるひとは、先の見通しがきいて環境が安定している場面ではその力が十分に発揮されますが、複雑で不確定な要素がたくさんある状況では、とても危険な判断をしてしまうことがあります。

質問者の方は、みんなの意見や気持ちを尊重する、素晴らしい価値観と行動力を持っています(そして、ほかにもたくさんあると思います)。そして、そういう人だからこそ状況によってはうまくいかないこともあるのです。
だから、その時にどうすればよいか・・。それだけを考えるのが良いと思います。

さて、みなさん。「軸」とは何でしょう?

ここであつかう、意見をまとめるときの軸とは、「目的」だと思います。
「何のためにやるのか?」「何を起こしたいからやるのか?」
という質問をみんなに問いかけてみましょう。

目的を果たすのには、やり方は何通りもあります。100万通りある!と言っている人もいます。

例えば、ある目的のために、A案とB案があり、どちらかを選ぶことで対立が起こることがありますが、これは100万通りあるやりかたの中の、たった2つのやり方についてどちらが良いか議論しているだけ。と考えることもできます。

この場合、少なくとも以下の7とおりの方法があります。

  1. Aをやる
  2. Bをやる
  3. Bの考えも取り入れながらAをやる。
  4. Aの考えを取り入れながらBをやる。
  5. AとBを同時にやる
  6. 時間を区切って、あるときはA、あるときはBをやる
  7. AでもBでもない、新しい方法を考える

そして、それぞれの条件・やり方を少しずつ変えていけば、掛け算的に増えていくので、なん通りにもなりますね。

ここでポイントになるのは、どの方法を選択してもいいのですが、
「そもそもこの活動の目的は・・・・・だよね。」
「目的に合っていて、より効果的*な方法はどれかな?」
という質問をみんなにしてみることをお勧めします。

あるいは、
「目的に合った、もっと効果的な他の方法はないかな?」
「いままでで、まだやっていない方法はないかな?」
「制限がなければ、やってみたい方法はないかな?」
と質問をして、みんなでアイディアを出し合うことです。

*:効果的な方法とは、望んだ結果がちゃんと出る方法のこと。また、効率的な方法とは、少ない時間や労力で同じことができる方法のこと

そうすれば、二つの案の対立(ある人とある人の対立関係)から解放されて、自由な発想で考えを進めることができるようになります。

軸はとても大切です。
そして軸をぶらさないというのは、「目的を見失わず、つねに目的を出発点にして考える。」ということだと思います。
だから、このプログラムの目的は何か?この作業の目的は何か?を常に考え、言葉にしてみましょう。
そして、それをみんなと共有したうえで、アイディアを出し合い、統合し、協働作業を進めていきたいですね。

*担任から告知した「メリー・ゴートン」の会で、追加告知です。 メリーゴードンと、少人数で深い対話ができる会に特別にお声かけいただきました。希望者は私まで。
日時:7月13日(土)14時30分~16時30分
場所:ユニゾンキャピタルのスペース(赤坂ニューオータニのオフィスビル内)
参加条件:以下、メリー・ゴートン氏の取り組みを熟知した上での参加となります。
■「静かなるイノヴェーション」「社会起業家という仕事:チェンジメーカー2」などのメリー氏の章を読んでおく。
(本は図書室に置いておきます)
■ゴードンのスピーチの動画を観ておく( http://www.youtube.com/watch?v=DIrrlaA1wbA
■7月8日(月)18時30分~慶応大学三田キャンパスでのメリー・ゴートン氏の講演に参加する。