教科イチ押し見学会⑦お茶の水女子大学院
今回は理系分野です。引率の茨木からご報告します。
4年生7名、5年生19名の計26名で、お茶の水女子大学大学院を訪れました。
「お茶大アカデミックプロダクション」に所属されている先生方から主に生物分野に関係する研究について紹介していただきました。
まずは発生がご専門の先生にお話ししていただきました。
カエルの卵が次々に細胞分裂する様子に「おぉ~!」。生徒はみなくぎづけになっていました。
「では、イヌは卵からうまれますか?」との先生の問いに首を振る生徒達。
「イヌも卵からうまれるんですよ」え?
そうなのです。イヌやわれわれヒトも始まりは受精卵。卵からうまれるのです。
理科総合の授業でも勉強しましたね。続いて分子進化学がご専門の先生のお話ししていただきました。
ヒトとタコが進化的に大きく離れていることは、何となくわかりますよね。
ですがこの2つ、「カメラ眼」というとてもよく似た眼をもっているのだそうです。なぜ、生物種としては遠く離れているのに、こんなにもよく似たつくりの眼をもっているのか。それを研究されているそうです。
1年生のときにイカとブタの眼の解剖をしましたが、つくりがそっくりだということに気がついた人はいましたか?全く異なる姿にみえるヒトとイカが、すごくよく似たつくりの眼をもつ。不思議ですね。
糖鎖がご専門の先生からは、化学分野と生物分野の両方に関係するお話しをしていただきました。
「糖鎖」とは、糖(例:ブドウ糖)がつながってできたものです。
糖同士だけでなく、タンパク質や脂質にも結合し、その性質を特徴づけます。先生の研究では、インスリン(血糖値を下げるタンパク質です)の糖鎖の形を変えたら、効果が持続するという結果が得られたそうです。
インスリンは、体内で正常にはたらかないと糖尿病になります。糖尿病患者の方は、定期的に外からこのインスリンを注射によって補っていますが、糖鎖によってその効果が持続させられれば、その回数を減らせるというわけです!すごいですね。
その後の懇談会、研究室見学も、理系志望の生徒が多いこともあり、熱心に取り組んでいました。
帰りには「とてもよい刺激になった」という声が多く聞かれ、充実した見学になってよかったです。ご協力いただきました先生方、お忙しい中、どうもありがとうございました。
イチ押し見学会は5年以下の全校が動くので、見学先探しには一苦労。公共の施設はよいのですが、こうして大学の研究室を見せていただくような場合は、教員が出身大学にお願いしたりとあらゆるネットワークを使って実施しています。