2012/9/6 木曜日

Life is Tech!2012【前編】

カテゴリー: 28プロジェクト:社会 — 漆 @ 17:47:27

ここ数年、インターネットと教育に関する委員会に出ることが多いのですが、海外の教育と日本の教育の大きな隔たりを感じています。

日本の外ではリスクとチャンスの両方を教えて積極的な利用を促している一方、日本では、危ないものにはなるべく触らせないという考え方がまだ根強くあります。

しかし、実際子供たちは親よりも早く情報をキャッチしていて、すでにその世界の中にいます。道の歩き方を教えるようにネット社会の歩き方を教えた上で、有効に活用する方法を積極的に伝えていくことが将来、世界の中で働いていく準備になると私たちは考えています。

今年から3年生の総合学習で、ソーシャルメディアの活用を促しているのもその一貫です。

さて、そんな濃~い体験ができるサマーキャンプの報告です。昨年も参加した生徒がいましたが、評判がよく今年は、多くの生徒が参加しました。引率した情報科の酒井から報告です。まずは前編。

8月22日から8月26日までの5日間、Pieceture㈱さんのLife is Tech! (ライフイズテック)というサマーキャンプに生徒48名と一緒に行って参りました。
Life is Tech!は中学生/高校生がiPhoneアプリ開発、Flashアニメ、ゲームデザインを、大学生とキャンパスで学ぶIT教育のキャンプです。去年も私は行かせていただいたのですが、去年はクラスの生徒7名と毎日SFCまで通っておりました。
昨年度の様子
しかし今年からは1年生から5年生の有志48名と、しかも希望した生徒は宿泊で5日間、もしくは3日間。そして、他校の大勢の生徒さんとも一緒!ということで、昨年とはまた違ったキャンプになりました。

1日目、昨年同様お揃いの色違いのポロシャツをプレゼントされます。昨年度も思いましたが、このポロシャツを着ると、一気に仲間に入ったような感じになります
最初はグループに分かれて自己紹介を行い、さっそく開発に入ります。
各グループには大学生や大学院生のメンターと呼ばれる方がついてくださり、一から丁寧に教えてくれました。
うちの生徒たちは他校の男子生徒さんなどに比べると(それも今回は他校の生徒さんはパソコン部の生徒さんが多かったようです。)リテラシー的には低いので、ついていけるか心配でしたが、なんとか頑張っていたようです。

今回は以下のコースに分かれていました。

①iPhoneアプリ制作コース、②Androidアプリ制作コース、③ゲームデザインコース、④アニメーションコース、⑤Webデザインコース

それぞれの班で、実施内容も違いますが、基本的に初日は、用意していただいた教材と教科書を見ながら、まずは概要を理解していくことをやっていたようでした。やはり、好きなことをやっているときは子供たちは真剣。普段には見られない集中力!こういう生き生きとした顔を見られると、連れてきた甲斐があります。
昼食は基本的にSFCの学食を使用します。
つかの間の慶応生気分を味わえますね。
Life is Tech! は大学の構内を利用して行われます。
それには理由があり、少しでも大学の、それも一流大学の雰囲気を味わってもらって、「またここに来たい。」と思ってもらう。少しでも自分の将来にこの機会をつなげてほしいという願いが込められています。
一つ一つ子供たちには刺激的な体験です。
昼食終わりにはアクティビティ。
これはLife is Tech!の一つの特徴でもあるのですが、ただプログラミングや開発をするのではなく、ここに集まった人たちがより深く関わって、人の輪を作って、次につなげていく機会にするアクティビティや企画がたくさん設けられています。今日は30枚の絵が書いてあるプリントを1人1枚渡されて、それを誰にも見せずに皆とコミュニケーションを取りながら、その30枚の絵に描かれている規則性を見抜くというゲームを行いました。
最初は他校の生徒さんもいらっしゃるので、もじもじしながら、そのうち少しずつ会話をしながら、コミュニケーションをとりながら解決に向けて進み始めました。

さらに別の日には東京大学やMITの院生として様々な研究をしていらっしゃる方や、アプリを開発して大ヒットし、それをきっかけにいろんな機会を得ている灘校の高校生などをゲストに、様々な講演を聴いたりと、自分たちよりも少し年上だけど、すごいことをしている人たちの話を聞き、自分たちの世界を広げておりました。

「せっかく来たんだから、いろんな刺激を受けて帰ってほしい。」

そういう思いのこもった行事の数々が企画されています。
子供たちは半分遊びながら技術を習得していくのですが、プラスで肯定的の雰囲気の中から得ることは非常に大きい。そういう思いを強くします。
まずは子供たちが前のめりになるそういう雰囲気が必要なのだと改めて感じました。

そして開発に戻り、17:00頃に通い組は帰ります。
宿泊組はそこから夕飯、お風呂、アクティビティとまだまだ行事が続きます。
夜のアクティビティでは花火をやったりゲームをやったり、ここでも仲良くなれるきっかけがたくさん。

2日目の夜、女子の数名たちと近くのスーパー銭湯に行きました。
一緒にお風呂に入って、一緒にご飯を食べる。それだけですごく仲良くなります。
今回は品女の生徒7人と、Piecetureの代表の方と一緒に行ったのですが、7人のガールズマシンガントークに代表の方もタジタジ。
ものすごいスピートでいろんな話が展開されて、会話が途切れることがありません。
普段は男の子の参加者が多いLife is Tech!ですので、こういう雰囲気には慣れていらっしゃらないとは思うのですが、それでも元気のいい子供たちの面倒を最後まで辛抱強く見てくださいました。
(その後、子供たちは代表の方が大好きになって、ベタベタとなついていましたが…。)

後編へつづく・・・。