2011/10/27 木曜日

早稲田大学連携授業・創造理工学部

カテゴリー: 早稲田大学 — 漆 @ 17:34:01

今日は高等部は定期テスト最終日。中等部は総合学習で、1年生は本所防災館へ、2年生は鎌倉見学へ。

気持ちのいい秋晴れでよかったです。

3年生はいよいよ企業コラボの最終プレゼンです。どのクラスが選ばれるか楽しみです。

早稲田大学連携授業の続き、担当横井からの報告です。

創造理工学部の緒方裕子先生に「黄砂粒子の研究と研究者への道」というテーマで講義をしていただきました。

まず、自己紹介で研究者としての歩みを教えていただきました。
9年間黄砂の研究に携わっており、特別研究員や海外派遣も経験していると聞き、感嘆の声があがりました。
また、ご出身の熊本についても紹介していただきました。黄砂の研究を始めるきっかけの一つに出身地も関係しているということで、生徒たちには身近なところに研究材料があることを知ることができたようです。

続いて、黄砂について具体的な研究法とともにお話しいただきました。
黄砂とはサハラ砂漠などの乾燥地帯で砂が巻き上げられて上空に達したもので、地域によってはかなりの被害を受けています。ところが、黄砂は生物にとって必要な元素を外洋へと運ぶ役割もしており、そのはたらきによって外洋で生物が生きることができるのだそうです。このような黄砂の意外な一面を知り、生徒たちは驚いていました。
また、黄砂の観測法として、気象庁でも行っている目視の他にライダー観測や走査型電子顕微鏡を用いた観測、水透析法などを説明していただきました。中でも、富士山山頂で行う雲水の採取に生徒たちは興味を持ったようでした。
生徒たちは今まで学んだ知識と結びつけながら講義を受けていましたが、専門的な用語や装置など大学での内容となると、やはり少し難しかったようです。

最後に、大学や研究室についてお話しいただきました。
理系を目指す生徒が多かったこともあり、実際に研究を続けている緒方先生のお話は貴重なアドバイスとなったようです。講義終了後、生徒たちは自分の進路をどうしていくか考えたり話し合ったりしていました。
また、研究のためには、高さ30mの観測タワーや富士山山頂などの現場へ出向いて観測し、研究するという根性や体力が必要であることもお話しいただきました。

黄砂についてだけではなく、女性研究者への道ということで、生徒たちはたくさんのことを学ぶことができたようです。
緒方先生、研究でお忙しい中ありがとうございました。

以下、生徒の感想をいくつかご紹介致します。
・小さな粒子でも顕微鏡で見て、成分まで分析できることに驚いた。
・黄砂を研究することで、人の暮らしに関することまで調べることができてすごいと思った。
・9年間も黄砂について極めるのはすごいことだと思った。
・初めて聞いた言葉がたくさんあって、もっと知りたくなった。