2011/9/30 金曜日

インターアクトクラブからの報告

カテゴリー: クラブ — 漆 @ 17:30:19

インターアクトクラブからの報告です。

私もこの夏、夫の実家のある福島へ行きましたが、報道では分からない様々な事情があることを知りました。

この報告を受け、私たちは今できる精一杯のことをしていかなければならないとの思いを新たにしました。

顧問の田辺からのご報告です。

9月22日木曜日 文化祭の代休であるこの日に、インターアクトクラブでは被災地(復興地)視察に行ってきました。8月6日に行われたインターアクト年次大会を受けて、今回の視察は提唱ロータリークラブである東京品川中央ロータリークラブのご協力のもと実施されました。
東京駅で待ち合わせし、新幹線で仙台へ。仙台からバスに乗り石巻・女川地区を訪れました。現地は前日の強い台風15号により、地震で緩んだ地盤に追い打ちをかけるように水害に見舞われていました。田んぼは川との境目が見当たらない程、また立ち寄ったある大学のサッカーグラウンドは湖のごとく、水が溜まっていました。(左記の写真は水の溜まったグラウンドです。)

町の一角でゴミの山や廃車の山がありました。かなりあるように見えましたが、これでも「4分の1」になったとのこと。生徒たちは相当衝撃を受けていました。今回の視察をアレンジしてくださったJustGiving Japanの梶川さんによると、今回の震災の特徴は「格差災害」だそうです。ある場所を境に被害の差が激しいということでした。物理的被害だけでなく精神的被害も大きく心に傷を負われた方が多いとのことでした。

石巻と女川地区を訪れたのですが、石巻が一番死者・行方不明者が多く、人口18万人いる中4000人以上の方が被害にあったそうです。

現地でボランティアをされている堀之内哲也さんという方に現地の様子をうかがいました。この方は鹿児島出身で、京都で書道家をされていたそうですが、日本の一大事だと地震後およそ10日後には現地入りしボランティア活動を始め、NPOオンザロードと合流、活動しています。彼が最初に行なったこと、それは誰もしたくないようなこと、つまり家の中の泥の掻き出しだったそうです。電源の切れた冷蔵庫の異臭が激しかったそうです。彼の凄いところは震災後ある程度治安等を確認してから家族を現地に呼び寄せたことです。お子さんが3人いらっしゃるとのことですが、ボランティアをするようにと話し、炊事などのお手伝いを1ヶ月ほどしてもらったとのことでした。
また、印象的な点のひとつは「させてもらっている」という表現。ボランティアをさせてもらっている、お手伝いさせてもらっているということ。してあげているのではないということです。

その後、女川地区で地元の方からお話を頂戴しました。この方は御年61歳ということでしたが大変元気な方で、当時の状況をたくさん話して頂きました。高台にある女川町立病院にて、女川地区を目の前にしながら説明して頂きましたが、その地区では残った家はたったの3軒。震災後は「ない・ない・ない」の何もない生活だったそうです。トイレも風呂も電気もガスもない、飲み水も食料もない。携帯電話の電波も震災後周波数が減らされ電話がかかりにくくある事態。携帯電話は1ヶ月半使えず、入浴は30日間できず、下着もかえられないような状態だったそうです。携帯電話が使えた時には電池がもったいなくて、ご家族には最低限度の連絡をと考え、「生きている」の一言で電話を切ったそうです。どんな資源ももったいなくどんな物も大切にすること、それは東京に住む私たちも同じように持つべき教訓です。生徒たちに是非心がけてほしいこととして以下のことをおっしゃっていました。

・食べ物の好き嫌いをしない、食べる量だけを取り、残さない(被災した際には限られた食料しかない為わがま  まは言えない)
・携帯電話で無駄な話をしない(電池・充電する電気がもったいない)
・調味料がない時にはチキンラーメンが役に立つ(味が濃い)

この方の一番印象的な言葉がありました。
「ない・ない・ないという状況なのだから、前に進むしかない」
大変前向きな方で、復興に向けて頑張っていらっしゃいました。

また、ボランティアの堀之内さんがおっしゃっていましたが、こちらの方たちは「被災者」「被災地」という言葉は使わないそうです。「復興者」「復興地」だそうです。「微力かもしれないが、決して無力ではない」だから頑張っているということでした。

現在の問題点の一つ、それは人口流出だそうです。20代、30代の働き手がどんどん他県へと移ってしまっているそうです。それを食い止める為、雇用を増やす為に復興複合施設を作り、ばらばらになったコミュニティ・自治体の再生のサポートをしていく予定ということでした。

その後、仙台育英学園高等学校のインターアクトクラブの生徒と交流会。この日、台風の影響で、在来線が運休・学校が休校していたにも関わらず、話を直接聞かせてもらうことができました。震災直後には水をもらうのに列が出来、5時間も並んで手に入れるそんな生活が続いて大変だったそうです。震災の日には本校の生徒同様に学校へ泊まったとのこと。本校の生徒たちは同世代の学生から実際の状況を聞いてみて、質問を投げかけたり東京の当時の状況を話したりと、活発に交流会を行うことが出来ました。

復興地(被災地)へ実際に行ってこの目で見るという経験・実際の復興者(被災者)に話を聞くということはメディアを通して見るものとは全く異なり、衝撃の連続でした。この経験をもとに日常の生活・日々のありがたさ・普段当然のように感じられる衣食住ですらありがたいということを、生徒たちだけでなく私たち大人も学ぶことができたと思います。日常を見直すチャンスとなりました。

私達をあたたかく迎えて下さった仙台東ロータリークラブの皆様、仙台育英学園高等学校の皆様、また、ご協力頂きましたJust Giving Japan梶川様、NPOオンザロード堀之内様、そして東京品川中央ロータリークラブの皆様、ありがとうございました。

 

国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所が開催する「第6回UNHCR難民映画祭」を紹介します。

期間:10月1日(土)~10月9日(日)
上映時間、場所につきましては、HPをご覧下さい。イタリア文化会館、青山学院大学など、複数箇所で上映しています。
難民映画祭HP→http://unhcr.refugeefilm.org/2011/
映画祭のパンフレットとUNHCRの資料「この人はなぜ?いま、日本からできること」を図書室に置いておきますので、ご覧ください。

 

明日は都民の日で学校は休校です。