2007/12/14 金曜日

プロフェッショナル探訪シリーズ④

カテゴリー: 28プロジェクト:社会 — 漆 @ 10:36:12

577.jpg特別講座「プロフェッショナル探訪シリーズ」の4回目は、中井生活経済研究所・所長の中井惠美子さんにお越しいただきました。

中井さんは早稲田大学法学部を卒業後、銀行の調査部、プライベートバンキングのお仕事を経て、独立なさいました。

銀行から次の世界へと背中を押してくれたお母様が退職直後に亡くなり、その悲しみの中から「もっと苦しまないで死ぬことができるよう病院を変える仕組みを作りたい」と仕組みを考え、日本で初めて「病院債」を発行なさいました。

中井さんが銀行にいらしたころは、結婚して子供がいることを隠すほど、仕事と家庭と両立するのは困難だったそうです。
朝5時半に子供のお弁当を作りながら夕食の支度までをし、鍋の煮える間に資格試験の勉強をするという毎日だったそうです。

調査役への昇格試験で全科目トップだったのに不合格になり落胆しているとき、子供に「おかあたん、私が邪魔なの?」と聞かれ、「人の決めた基準の中で生きていては幸せになれない」と気づいたそうです。

生徒の感想を見ると次のような言葉が心に残ったようです。

◆学校の勉強は努力が報われるけれど、実社会には不平等なことがある。理不尽なことは起こるべくして起こる。だかこそ次の工夫が生まれる。なにがあっても死んではだめ。

◆中高時代は自分の好きなことをやっておく。本を読むのも大切。納得せずにやっていた勉強が将来役に立つこともある(法学部で学んでいたことが、独立し債券を作る際に大いに役立った)

◆一人に一日24時間は平等、忙しくても細切れの時間を探して集中すれば勉強はできる。(エレベーターが昇る間の時間も使った)

◆女性は自分で力をつけなければならない。自分の力で生きていけるように働く。

◆日が当たらなくても、儲からなくても、世の中の役に立ち、自分の価値観で生きていくことが幸せ。

中井さんのお話を伺っていて、これからどんどん女性の活躍の場が広がっていく社会に出ていける生徒達は幸せだなぁと感じました。彼女たちがその時代が中井さんのような先達によって切り開かれたことを知って、女性であることに甘えず、責任を持って仕事をする人になってくれることを願います。