大学出張授業(明治大学)
大学教授出張授業のシリーズです。
担当の北原から報告です。
明治大学商学部の山下洋史教授から「組織におけるメンバーのモチベーションと活性化」についてご講義いただきました。
前日にサッカー女子のワールドカップで日本が決勝進出を決めたこともあり、そのメンバーの”モチベーション”のお話から授業がスタートしました。
人がどのような理由でやる気になるか、ということを理論的に説明づけていきます。最初は、アメリカの学者であるハーズバーグの”動機づけ・衛生理論”についての説明です。
ハーズバーグの分類では、人のモチベーションは、動機づけ要因(昇進・成長など)と衛生要因(給与・対人関係・作業関係)に分けられるのですが、日本人の場合は、対人関係が動機付け要因に入るのではないか、というお話がありました。
日本人はチームや職場での給与や昇進よりも、人間関係重視の考えが強いようです。次に、I-I chartという、人のタイプ分類の説明です。
「能動性」の有無を横軸、「組織との一体感」の有無を縦軸に、グラフに表して組織で働く人を4つのタイプに分類します。① 問題解決者型…組織と目的を共有し、かつ、能動的な人。
② 受動的器械型…組織の命令に忠実ではあるが、自分から能動的に行動しようとはしない。
③ 疎外労働者型…目的は組織と一線を画すが、命令には従う。(公務員タイプ)
④ 非貢献者型…能動的だが、自分勝手な行動をとる。組織的な行動はできない。この4分類は、グラフ上では①が最も望ましく、この反対の③が最もダメなように見えるのですが、実はそうではなく、組織では④がもっとも厄介な人に。
このI-I chartの分類をもとに、山下教授は”カタストロフィー・モデル”(不連続な現象を説明するための理論)を考え、その説明を理論的にして下さいました。
マーケティングやモチベーションという言葉に馴染みのある品女生も、3軸のグラフで数理的に説明されると、今までとは違う印象を持ったようでした。
数学の重要性が身にしみたのではないでしょうか。講義後の質疑応答の時間には、商学と経営学の違いや、各大学の学部の成り立ちについてもお話いただきました。
ホームページやパンフレットでは知ることの出来ない大学の様子も話して下さり、生徒たちにとって貴重な時間となりました。生徒の感想を一部ご紹介します。
「自分も部活の時などで、モチベーションが上がるとき、下がるときとの比較で考えることができ、おもしろかったです。」
「給与では人は動かせないことには、思わず納得しました。」