大学出張授業(専修大学)
大学教授出張授業のシリーズです。
担当からの報告です。
専修大学 人間科学部社会学科 教授 大矢根淳先生に「社会学~見えないモノを視る力(概念と比較)」というテーマで講義をしていただきました。
まず、社会学とは文理融合、異種格闘技の学問であるというお話に始まり、ご自身の紹介をかねて、NZでの生活や小学校教育の日本との違いなどをお話し下さいました。
本校の生徒はNZに修学旅行で訪れているので、その教育システムの違いに驚くとともに、興味を持って聞いていました。その後、『5wordsのススメ:識字と視点』・『「概念」で視る=私の個人的体験~NZ・牧場で子供達と遊んで:白い(赤い)丘!?』・『何が話されていたのか』・『東日本大震災復興における高所移転案の検討!?』の4つのタイトルでお話をして下さいました。
『5wordsのススメ:識字と視点』では、実際に講義でも行っている、その日の自分の想いを端的に示す5つの言葉を手帳や日記などに記す、5wordsという手法を使ったトレーニングについて具体的に教えていただきました。
また『「概念」で視る=私の個人的体験~NZ・牧場で子供達と遊んで:白い(赤い)丘!?』では、自分が獲得した概念で社会を視ることの重要性について、ご自分のNZでの経験(NZの子供達が普通なら緑色に描くはずの丘の絵を赤色や白色で描いた出来事)を交えてお話していただきました。
『何が話されていたのか』では新聞に掲載された1枚の写真(山古志村村長を訪問した三宅村村長)から何が読み取れるか、本当に新聞記事通りの内容だったのか?などについて、最後に『東日本大震災復興における高所移転案の検討!?』では三陸リアス式海岸での三度の被災と福岡県西方沖地震の被害にあった「玄海島」の復興例を挙げ、時空を超えた問題構造のアナロジーについて興味深いお話を伺いました。
以下に受講者の感想の抜粋を紹介します。
・5wordsこれからやって行こうと思います。表現の幅が広がることにより、見方が変わり、様々な違うものを見つけられるようになりたいです。
・東日本大震災で被害を受けた方々のために社会学が活用できることに驚きました。東北地方の被害を受けた海岸が玄海島のようになれたらいいなと思いました。
・一番興味を持った話はNZの子供の話。社会学部希望なので、話が聞けてうれしかったです。ありがとうございました。
・なるほど概念によって見える世界は全く違う!緑の牧場のピンクの丘の話はわかりやすかったです。
・「自分が獲得した概念でモノを視る」ことに共感しました。
・概念を多く持っておくのが社会学なんですね!また「共通点」という概念で災害をくくる方法があることを知りました。
・メディアは正確な情報を伝え、テキトーなことは書かないで欲しい。
・自分の身の回りの何気ないニュースや新聞は記事通りに鵜呑みにするのではなく、見方を1つ変えるだけでがらっと変わることに驚いた。
・今日の講義を受けて、自分の語彙力のなさを感じました。昨日の1日を3つの言葉で表すというのは今の自分ではとても難しいことでした。なので、これから将来のためにも今から語彙力をつけるようにしたいです。
・楽しかった。はやく大学に行って、こういう授業を受けたい。
以上、受講者にとって、大変有意義な時間となりました。