2014/1/31 金曜日

中学入試のためのチェックリスト

カテゴリー: 受験生,校長のオススメ — 漆 @ 15:10:39
今朝、 あんまり空がきれいなので学校前で写真を撮りました。品川の高層ビル街の白が青に映えていました。理事長が、最近はこのあたりからも富士山がよく見えると言っていました。
   登校してくる生徒達。日が出ててもちょっと寒そう。

明日からいよいよ入学試験です。

今日は授業を早めに終えて、在校生が心をこめてお掃除をしました。 入試日にも、お手伝いに来てくれます。

受験生の皆さんが落ち着いて実力を発揮できるよう、精一杯の準備をしました。

今日、何か受験生のご家族のお役にたつことはないかなと、『伸びる子の育て方』の巻末にある、合格した保護者からのメッセージをあらためてめくっていると、こんなアドバイスがありました。

「受験当日、緊張からか『お腹が痛い、気持ち悪い』と言い、なかなか起きられなくなりました。でも前日、『体調もいいし、やることはやった。がんばろう!』と家族みんなで話していたため、精神的なことだと思い、焦らず、落ち着いて励まし、送り出すことができました」

想定外のことは起きるものです。

と思っておく心の準備がいちばん大切な準備です。そうすれば、「なんで今日に限って!」と親が慌てずにすみます。そして、この子は合格しました。

受験期間中、お父さん、お母さんの一番の仕事は、「笑顔でいること」。

まず、親が落ち着き、お子さんがリラックスできる雰囲気をつくってください。

子供に聞くと、モチベーションが上がることのトップは「終わった後にいいことがあるとき」です。合格したら・・・と明るいビジョンを持たせてあげてください。そして、もし結果が思うようにならなくても、あなたのことが大好きだから大丈夫、と安心させてあげてください。

「想定外」を最小限にするための準備として、これまでの経験から気づいた事をチェックリストにして著書の巻末に添付しました。それをこの日記を読んでくださっている皆さんにもシェアさせていただきます。

・持ち物は学校ごとにチェック表で確認。書類は取り違えないように学校毎にファイルしておく。

・体調不良に備え、マスク、鼻血対応のティッシュ、エチケット袋も持っておく(本校では教室に用意してあります)

・着る物は着やすくて温度調節ができるものを。(保護者室が寒い学校もあるので、親御さんも備えて)

・前日は消化のいい物を早めに食べて寝る。(寝られなければ「それが普通。みんなそうだから大丈夫」)。朝、食べられなければおむすび持参でも。とりあえず、試験中、空腹にならなければOK。

・移動時間はもう一度シミュレーション。土日はダイヤが違うことも。万が一に備えて他の路線があれば見ておく。

・受験校の電話番号は控えておく。もしものときはまず連絡を。

・テストの後、結果は聞かない。結果で叱らない。(本人が一番感じています)ただ、理社の時事問題はその年の傾向があるのでチェックした方がいいかも。そのとき、ケアレスに気づいてがくっとしたら、「次はどうしたらいい?うん。それなら次は大丈夫」とよいイメージに変えてあげて。ただし、それもあまり疲れているようなら終わったことには触れずに、リラックスさせることを優先に。

・学校によって過去問の傾向が違うときは、次の学校への切り替えを。(句読点の数え方が違うことも。慌てて時間切れにならないように時間配分のシミュレーションなどもしておく。満点は取らなくていい、合格点をとればいいので。)

・併願校で最後まで迷ったら、とりあえず出願だけダブルでする方法も。偏差値だけでなく定員、倍率も見る。(受験料はもったいないが、どういう心理状況になるか分からないので、それに助けられることも。)

・得点開示があれば利用する。現実を見て臨機応変の対応を。その際も、お子さんの未来から逆算し、大きい問題と小さい問題を分け、軸はぶらさずに。

・併願パターンに合わせて合格後の手続きまでを事前に一覧に。学校は期限には厳密。気が抜けてうっかりしないように。

・受験番号は他人に言わない。受験校の同じ親しい友人との行動もどこまで一緒にするか事前に考えておく。(合否が別れたときが辛いので)

・第二志望以降は数字をつけず、どこが好きかを話題にしておく。公立の悪口も言わない。

・不合格になった学校の悪口を言わない(あきらめたころ繰り上げがくる学校もありますし、手に入らなかったものを否定する概念が入ると、責任感や向上心がなくなります)

・合格した学校に「あなたを認めてくれた」という言葉を使わない。(選んで受けてくれた受験生を認めていない学校はありません。合否は本人のとった点数の結果です。逆の場合に否定された気持ちになってしまいます。)

・万が一の場合を考え、親類縁者、人手を確保しておく。手の抜けるところは抜けるよう、自分でなくてもできること、他の人に手伝ってもらえることがあれば頼んでおく。(一段落してからでも大人同士のフォローはできます)

・何かあっても親は慌てた顔をしないで。お子さんが落ち着いて受験できることを最優先に。

・自分自身の精神状態を安定させるため、入試期間中の息抜きの時間や場所(お茶の時間、好きなスイーツ、部屋に飾る花、待っている間に読む楽しい本、愚痴を言える人等々)も確保しておく。(お母さんが泣いて子供が慰める場面を何度も見ました)

・下の子のケアを疎かにしない。(「お姉ちゃんは受験だから仕方ない」が通用しない年齢もあります。)

・未来を犠牲にしない。(受験はとても大変で大きな出来事ですが、お子さんの長い人生から見たら一時のことです。未来を見たとき受験より大切な価値観は見失わないように)

・複数の学校に受かって迷ったら、他人の評価や動く数字でなく価値観を優先して。最後は子供自身に決めさせる(入学後、思い通りにならないことは必ずあります。そのとき、乗り越えられる子は自分で選んできた子です。)

受験はとても大切で大変なことですが、30年、この世界にいて、しみじみ思うことは、

「受験のその後の人生は長い」

「入学することになった学校がその子にとって一番いい学校」

「結果がどうあれ、受験勉強の過程で得た財産は消えない」

ということです。

試験が終わったら、どうか笑顔で、これまで頑張ったお子さんとご自分自身をねぎらってあげてください。

*校長日記は入試、合格発表が一段落するまでお休みします。

在校生は明日からの家庭学習期間、6日の模試、今年度最後の定期テストに向けて集中学習してください。

6年生は私大の入試が本格的に始まります。落ち着いて実力が発揮できるよう、身体を休めて風邪をひかないように。

次ページへ »