ノーベル平和賞受賞者の講演
今朝は髪をきりっとお団子に結った生徒が目立ちます。バトン部です。台風がそれてよかった。今日の大会、頑張ってね!
午前中の見学会も無事行えました。
PTAの委員会、文化祭の準備が迫っているからでしょうか、会議のスピードが速いこと!いつもの半分くらいの時間でテキパキ終了。
さて、一学期の終業式に行なったノーベル平和賞受賞者 ムハマド・ユヌス氏の講演の様子をご紹介しましょう。
ユヌスさんは大学教授でしたが、たった50円のお金がないために、貧困から抜け出せない人がいることを知り、マイクロファイナンスの仕組みを作りました。
当時、普通の銀行は、「貧しい人は信用できない。お金を返さない。貧しいのは自分が悪いからだ」と担保のない人にお金を貸すことをしませんでした。
そこで、ユヌスさんが保証人になり、仕事の元手となるお金を貸したのが始まりだそうです。
その結果、回収率はなんと98%。そして、借り手の94%は女性。女性は自分のことより家族のことを優先して考えるので、女性を支援した方が変化が早いそうです。
今、このソーシャルビジネスの仕組みはバングラディシュはもとより世界各国へ広がっています。
生徒達にはこの日をきっかけに、こうした取り組みがあることを知り、将来、社会の問題を発見し、それを解決する一歩を踏み出す人になってほしいと願います。
以下は、参加者から出た質問の一部です。高等部にはスムーズに英語でやりとりする子が多く、ユヌスさんも思わず通訳を介さず答えることが何度も。(ユヌスさんを紹介をしてくださった藤沢久美さんのブログにはユヌスさんの答えがのっています。)
*グラミン銀行設立までの期間、大変だったこともたくさんあったと思いますが、どんなことが一番大変でしたか?また、それをどのようにして乗り越えましたか?
*日本の企業としては初めてユニクロがバングラディシュでのソーシャルビジネスに乗り出しましたが、他の国に比べて日本の企業のソーシャルビジネスの取り組みは遅れているようです。日本の企業がよりソーシャルビジネスに取り組むためには一番何が必要だと思いますか?
*大きな決断をする際、何に基づき、どんな信念に照らして決めますか?
*ノーベル平和賞を受賞する前と後で、生活はどう変わりましたか?
*2015年までの目標は明らかにされていますが、そのさらに次の10年間では何をしようと考えていますか?
*何かを行うときに、失敗を心配しませんでしたか?また、私たちはどのように東北大震災被害者の方々の手助けをすべきでしょうか?
*二国間の直接的な支援と、国際機関を通しての多国間支援と、どちらを重視するべきだとお考えですか?
*私たちのような先進国に住む中高生は、何をすれば世界の貧困層の人の援助ができますか?
*あなたの思い描く「平和」とはどんな世界ですか?また、その実現のために私たちがやっていくべきことは何だと思いますか?
そして、ユヌスさんからはこのようなお手紙をいただきました。生徒にはこの期待に応えられるような人に成長してほしいです。
お手紙の実物は図書室にあります。また、ユヌスさんのサイン本もありますので、見てみて下さい。
Dear Ms. Urushi,
It was wonderful to meet you in Japan.
Thank you for the wonderful event you organized at your school with your students.
I was very impressed with the students, their level of understanding about important social issues, and their concern for creating a better world.
They are definitely the leaders of tomorrow.
I congratulate you on your role in creating these young leaders.
Thank you again for your interest in my work, and look forward to staying in touch.
With warm regards,
Yours sincerely,