2010/10/2 土曜日

文芸部 万城目学さんインタビュー秘話①

カテゴリー: その他 — 漆 @ 12:54:19

昨日は夜に銀座で教育関係の会があったので、その前に松屋で開催中の人形作家 与勇輝氏の展覧会に行きました。
今、話題になっている展覧会ですが、戦前戦後の昭和史を見るようで、昭和生まれとしては懐かしく、ジーンとしました。
戦時中の人形を見ていると、こうした時代を乗り越えてくれた方々のおかげで今があるのだと父母の世代のことが思われて、
日本という国を大切にしていきたいと感じました。
この週末、チャンスがあったらご覧になることをおすすめします。

文化祭で賞をとった文芸部の「万城目学さんインタビュー秘話」を顧問の江頭からご紹介します。

8月24日(火)、「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」等で有名な作家の万城目学さんを本校に招き、文芸部の生徒がインタビューをさせていただきました。

文芸部では、毎年その年の文化祭展示のための研究テーマを一つ決めています。昨年は太宰治がテーマだったので、今年は純文学を離れて今人気の作家を取り上げようと考え、生徒の発案で万城目学さんを取り上げることにしました。
万城目学さんの作品は、「鴨川ホルモー」が映画・舞台になり、「鹿男あをによし」がテレビドラマになるなど、出る作品が次々にヒットしています。来年には「プリンセス・トヨトミ」も映画化の予定です。また、「鹿男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」が立て続けに直木賞候補になるなど、その作品の評価も高く、今後の活躍が益々期待される気鋭の作家さんです。現在「小説すばる」に「偉大なる、しゅららぼん」を連載中。これもまた、とても魅力的な作品です。

テーマを決めたのは昨年度末。その直後に、新作のエッセー「ザ・万遊記」の発売を記念して都内の書店でサイン会がありました。それを知り部員一同で駆けつけたのが、今回のインタビューのきっかけです。
サイン会では、15人の部員がずらりと列に並び、サインと握手をしていただいたのですが、なんとそのとき部長が万城目さん宛の手紙を書いて手渡したのです。その手紙は、ファンレターというよりは、取材依頼。「こんなの書いてきたんですが」と、会場で突然見せられた時は驚きました。(実は、この部長、「鴨川ホルモー」の楠ふみさんよろしく、普段は口数が少ないのに、突然大きな力を発揮するツワモノです)。早速、私の名刺を渡して連絡先として同封することにしたのですが、その時はまさか本当にお受けいただけるとは思わず……。後日、本当にお引き受け頂けると分かった時には部員一同狂喜乱舞。歓声が上がりました。

インタビューの時期は、万城目さんのご好意で、文芸部の合宿の後に設定していただきました。その方が、いいインタビューになるのではないか、と配慮して下さったのです。

合宿では、「鴨川ホルモー」や「鹿男あをによし」の舞台となった京都・奈良を訪問。伏見稲荷大社、京都大学、吉田神社を皮切りに、下鴨神社、上賀茂神社、黒塚古墳、春日大社、東大寺、平城宮跡などの名所はもちろん、丸太町橋付近の鴨川べりのベンチや四条烏丸の交差点、三条大橋のたもとのなで石、などといった作中で重要な舞台となった場所も訪ね、映画やドラマの場面を再現したポーズで写真を撮るなどのはしゃぎぶり。さらには万城目さんのかつての下宿や馴染みの喫茶店にまで足をのばすなど、ストーカー並みのしつこさで万城目ワールドを堪能してきました。
そして、万城目さんの雑誌に載ったインタビュー記事を読んだり、ツイッターをチェックしたり、誰がどんな質問をするかまで事前に決めるなど、準備万端整えてインタビューに臨んだはず…でした。

つづく。

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