29教科イチオシ見学会【お茶の水女子大学】
担当茨木からの報告です。
まずはショウジョウバエを使った研究について、お話しをうかがいました。
ショウジョウバエは、台所などでも見かける体長2mmほどの小バエです。
英語ではFruit flyと呼ばれ、果物を好みます。
このショウジョウバエは、もっている遺伝子の70%くらいがヒトと共通です。
よって「ハエを調べればヒトのことがわかる」ということで、
ヒトで実験する代わりに用いる生物「モデル生物」として生物学の研究では重要な生物です。
まずはこのショウジョウバエを観察させていただきました。
ガラス容器に入れられた30匹ほどのショウジョウバエ、容器を逆さまにすると、一斉に上にむかって歩き出しました。氷で冷やすと、死んだように動かなくなり、温めるとまた動き出しました。
また、二酸化炭素に満たされた容器に移しても、あっという間に麻酔がかかり、眠ってしまいました。
この様子はみなさんにとってとても興味深かったようで、観察の時間が終わった後も、時間をみつけては繰り返し観察していました。このショウジョウバエの「変異体」を実体顕微鏡を使って観察しました。生物のからだは細胞でできています。
細胞には核という部分がありますが、この中にはその生物の性質を決めている「遺伝子」が入っています。
この遺伝子の一部が変わってしまうと、からだの性質が変わってしまいます。
これを「変異体」といいます。通常のショウジョウバエ(野生型といいます)は赤眼で、2枚の羽はまっすぐでしたが、これが変異体では眼の色が変わっていたり、羽が小さく縮まってしまっていたりしました。初めて見るハエをみなさんとても熱心に観察していました。
この他にも、石油をつくり出す藻類や培養細胞、実験で使用する機器なども見せていただき、密度の濃い見学会となりました。
生物への興味も深まったのではないかと思います。ご協力いただきました先生方、学生の方、貴重な体験をさせていただき、どうもありがとうございました。