27教科イチオシ見学会【ワイズインフィニティー】
教科イチ押し、担当山本からの報告です。
普段の学習が実際に仕事で使われるところを見てほしい、という願いから、今回は六本木にある翻訳事務所「ワイズインフィニティー」にお邪魔し、職場見学と体験翻訳をさせてもらいました。
まずは、ワイズインフィニティー代表取締役 山下奈々子さんから、「翻訳とは」「翻訳に向いている人」「翻訳者になるまで」「中学生のみなさんにむけて」というテーマでお話をして下さりました。翻訳者は外国語が分かることはもちろんのこと、日本語の使い方も大事だ、(この点についてはあとの「体験翻訳」で実際に分かります)、そしてなにより大切なのが好奇心が旺盛であること、だそうです。いろいろなものを翻訳する時にその分野の事をいかにたくさん調査するかが大事だ、とのこと。そして言葉以外にも「約束を守る」「素直な人」「根気がある」「相手の気持ちが分かる」「にこやかな人」が向いている、というお言葉も。これは社会人としては当たり前のことですね。 さて、次に体験翻訳をしました。今回は参加生徒のリクエストで「ハイスクール・ミュージカル」に。実際に映像を見てみるのですが当然、日本語の吹き替え・字幕なし。「英語のままで映画見るの初めて!」と言っている生徒がいましたが、一生懸命見てから、配布されたスクリプト(台本)を見て5カ所の空欄に吹き替え用翻訳をグループで考えてきます。1年生グループはどうしても分かる文法が少なかったので私も参加。文法事項は教えましたが、日本語を上手くまとめる作業は生徒たちで。こまめに辞書を見ながら考えていきました。その後、実際に「吹き替え体験」も。(ちょっと照れくさかったようです・・・)。その後、社内を見せていただきました。デスクのパソコンの画面にはなにやら・・・映画!?新作の映画をいち早く見られるのがこの仕事の醍醐味の一つだそうです。 グループワーク第2弾は字幕作成です。字幕は吹き替えよりも字数が細かく制限されています。ここで日本語の能力がいかに大切か、ということを実感。そして吹き替えは「直訳」ではなく、その状況に合わせて「変化」させていかなくてはいけないということも実感しました。たとえば、ダンスのシーンで”And with every step together We just keep on getting better”という歌詞がありますが、普通、ダンス中ならばstepは「ダンスのステップ」ですが、このダンスが何を意味するのか、ということも考えて「言葉をつける」ということをするのです。そして言葉1つでニュアンスがまったく違ってきます。このニュアンスを上手に出すのも大変でした。こちらのグループワークはグループ毎に模造紙に書いて発表。女性社員2名の方が審査員になってそれぞれのグループのいいところを講評してくださったあと、最優秀賞を発表。なんと、最優秀賞は中学1年生のグループ。このグループは私が付いていたのですが、なかなか柔軟な発想ができていたグループでした。 社員の方から「みなさん、若いので柔軟な発想が翻訳に表れていて私たちも楽しかったです」という嬉しいお言葉をいただきました。また、この審査員を務めてくださったお二人に質疑応答。このお仕事の醍醐味や集中力を維持するための方法、普段心がけていること等を伺ってこの日の見学は終了しました。普段、英語を勉強していると「実際に使われてるの?」なんていう疑問もあると思いますが、「get used to ~ingって○○先生、しつこく(!?)言ってたよね!」という言葉が出たように、実際に使われているのです。普段映画を吹き替えで見ている人も、たまには字幕で見て英語を聞き取ってみる、字幕を見て「字幕制作の大変さ」を実感してもらうことがこの先あれば、そして「英語、頑張ろう!」という気持ちに少しでもなってくれたらいいなぁ、と願った一日でした。ワイズインフィニティーのみなさん、本当にありがとうございました。