2010/12/9 木曜日

舞台の仕事

カテゴリー: 保護者,卒業生 — 漆 @ 18:24:36

さっき、職員室で仕事をしていたら、
「先生、卒業生が遊びに来てますよ。ちょっと面白い仕事をしてるそうです」と声をかけられました。

廊下に出ると、今、31歳の卒業生。舞台の「オートメーション」(舞台機構)という仕事をしているそうです。
卒業後、芸術系に進学して、東京ディズニーリゾート、ユニバーサルスタジオを経て、今、シルクドソレイユにいるとのこと。

在校生に話そう!と色々質問しました。

どんな仕事なの?

「コンピューターを駆使して、役者を宙づりで動かしたりしています」

ダンス部だっけ?

「化学部です。舞台を見るのが大好きで、どうしても舞台の勉強がしたくて、総合的に学べる学校が大阪にしかなかったので、そこに進学しました」

何がやりがい?

「自分が表舞台で拍手を受けるわけではないけれど、出演者に『ありがとう。僕は君に命を預けてるんだ。君のおかげで安心して演技ができる』などと言われるときは、本当にやっててよかったと思います」

「間違えて操作してしまったりすると、役者があれっ?という動きになって『命を預けられてるのに・・・』と涙がでそうになるんです。でも、あとから『大丈夫。君を信頼しているから』と言われたりすると責任の重さを感じます」

どうして今の仕事に就けたの?

「それは夢をあきらめなかったからです」ときっぱり。

「大学では先生から、君にはむいていないからやめた方がいいと言われました。大学に6年いて、中退してしまったけれど、今までどの会社の面接でも、『途中でどうしてもやりたいことができてしまいました』と正直に言って、採用してもらえました。この世界で大事なのは卒業だけではないようです」

「女はすぐやめるからとばかにされることもあるけれど、私は絶対に途中でやめたりはしません」

「こんど、海外の舞台で仕事をすることになって、英語をもっとやっておけばよかったと思ってます」

今も、英語で仕事してるんでしょ?

「はい。『ちょっと待ってモーメント』とか(笑)。でも、色々な国の人がいて、ロシア人とか英語も通じませんから」

在校生にも舞台に興味ある子いると思うから、こんどお話ししてよ。

「もちろんです。学校にはずいぶん迷惑かけたから、貢献したです。でも、私でいいんですか?」
「もっと、早くくればよかったなぁ。シルクドソレイユは秘密主義じゃなくてオープンなので、いろいろしててあげられることがあったのに」

そうか、海外にいくんだもんね。帰国したらまた遊びに来てね。

(と、SNSを薦める。今、岡山、フランス、トルコ等々、学年の違う卒業生同士が連絡を取り合うようになってきてるんです。品女卒同士と分かると会社でもうるさいほどもりあがるとか。)

卒業生に会う度に、社会にはいろんな道があって、いつでもスイッチが入るのに遅いことはないんだなぁと感じます。

(お父さん、お母さん、長い目、長い目)