早稲田大学連携授業 商学
今日は台風の影響で通学地域各方面に警報が出たため、11時半で授業を終了し下校にしました。関東大会へ遠征中のバトン部がスムーズに帰宅できているといいのですが。
というわけで、いつもは部活で賑やかな土曜の午後ですが、今日はシーンとした校内です。明日は学校は模試会場で説明会。生徒は試合のあるクラブもあります。晴れるといいですね。
早稲田大学連携授業の続きを、担当の江頭からご紹介します。長めなので2回に分けますね。
商学部の石井裕明先生による「ブランドとマーケティング」
本校では、中等部の総合学習や様々な特別講座の機会に、商品開発や宣伝などの一端を経験する機会が設けられているせいか、本講座は一番人気の講座となりました。 講義の最初に「マーケティングという言葉を知っている人」という質問がありましたが、ほぼ全員が耳にしたことがある模様です。 ただ、「では、マーケティングって何ですか?」と聞かれるときちんと答えられる人はいませんでした。そこで、まず本講義のテーマとなっている「マーケティング」「ブランド」という言葉の定義からのスタートです。
アメリカマーケティング協会の定義によれば「マーケティングとは、顧客、クライアント、パートナー、社会全体に向けて価値ある提供物を創造し、伝達し、提供すし、交換する活動、組織、プロセスのことである」。
・・・こう言われて最初は戸惑っていた生徒達でしたが、「もっと簡単に考えれば『お客さんに自社の商品を買ってもらって利益を上げること』です」とかみ砕いた説明をしていただき、一安心。それからは具体的な事例を交えてとても興味深く楽しい授業が展開されていきました。
最初の事例はコカ・コーラ。1980年代以来台頭してきたペプシコーラに対抗すべく、1985年にコカ・コーラが新しい味の商品を開発しました。事前調査では味の評価が従来品はもとよりペプシよりも高かったそうです。そこで、コカ・コーラは自信を持って新しい味の商品に切り替えたところ、大失敗。消費者からは1日に8000件もの苦情が寄せられました。
曰く、「cokeはアメリカの歴史そのもの。変えるなんてとんでもない」「国旗を燃やすようなものだ」「私の人生には神とcokeしかないのに」。・・・この事例から、商品というものには性能や品質のよさだけではなく、独自の世界観やお客さんとの強固な結びつきが重要な場合があることがわかります。
こうした製品やサービスに宿る付加価値をブランドの考え方でとらえることができる。そう聞いて、生徒達はなるほどと頷いていました。