薬学セミナー見学
8月3日、第一三共株式会社を4年生が見学させていただきました。
ここ数年、伺っているので、一度私もご挨拶をと思い、一緒に出かけました。
理系の生徒にとっては薬学における最先端の研究に触れる滅多にない機会です。
中には、将来、製薬会社に入りたいという具体的な希望を持っている生徒もいて、ワクワクしながら向かいました。
まずは、会社概要を伺いました。医療用(病院)の薬品が売り上げのほとんどを締め、おなじみのルル、パテックス、マキロン等々の薬は5%程度だそうです。
開発競争はグローバルなので、常に世界を見据えていることが必要というお話しが、本校のミッション「世界を心に」と重なりました。
ちなみに、3万人近い社員の方の中で、最も多いのはインドの方だそうです。
新薬開発に莫大な費用がかかること、それが治せない病気を治す薬を作り出し、人の役に立つことで、また開発費へと循環するというお話しに、生徒達は企業の存在意義というものも感じたようです。
その後、若手の研究員の方から、「抗がん剤の今」というお話がありました。
これからは、患者一人ひとりに効くテーラーメイド医薬へと進化していくという難しい内容を高校生にも分かるようにお話しくださり、生徒達は熱心に聞いていました。
私は、母が今の自分の年齢で、すでに末期の癌にかかっていたので(以前の日記でも触れましたが)
ここ20年の医薬品の進歩を知り、驚き、第一三共の「つくっているのは、希望です。」というスローガンが心に響きました。
研究員に必要なのは、
・最新のものに興味を持つ
・オリジナリティー
・チームワーク
・強みを活かす
・タフさ
・英語力
だそうです。どの職種にも通じますね。
その後、少人数のグループに分かれ、若手の女性研究員の方と懇談しました。中学~大学生だった頃のこと、製薬会社に入ったきっかけ、仕事の一日、仕事のやりがい、プライベートとの両立等々、具体的なお話しに生徒は身を乗り出していました。
研究員になって予想外だったことの中に、「コミュニケーションが重視される」というお話しがありました。
そして、最後に生徒達に、こう伝えてくださいました。
「将来の為、今のうちに好きな人とだけつきあうのではなく、沢山の友達を作っておくといい。研究はチームでするので、自分と違う考え方を自分の中に取り込むことが大切だから」
実験施設など、通常は立ち入ることもできないような場所も見せていただき、理系の生徒達は目をキラキラさせていました。
参加した生徒にとって、将来の仕事を考える上で、本当に貴重な体験になりました。
第一三共株式会社の皆さま、お忙しいお仕事の中、ありがとうございました。
*明日から17日の6日間は学校閉校期間です。全校クリーニング等、メンテナンスを行なうため登校はできません。校長日記もお休みします。