茶道の授業(3回目)
今日は、校舎で小学生の模擬試験が行われていて、私も学校説明のために来ています。池袋では私学協会の合同説明会も行われていて、秋晴れの行楽日和に、受験生もご家族も大変です。(本校の受験生も、そして中間テスト前なので下級生も、今頃家で勉強していることでしょう)
昨日の続きで茶道の3回目の授業のご紹介をします。
3回目は、始めにお茶碗と茶筅を温め、茶筅が折れていないかを確かめる作法を学び、次は、いよいよお茶を点てるお稽古です。限られた時間で全員が体験するため、先生にお手本を見せていただいたあと、写真のように並んで一斉に点てていきます。水屋の教員は大忙し、見かねて気の利く生徒が手伝っています。
力が入りすぎて肩が上がってしまう子、なぜか小指が立ってしまう子、夢中になって点てる姿のかわいいこと!こういう実習では、しらけた子が出ず、一人残らず一生懸命になるところがうちの生徒の特徴です。
どうしても泡が立たずお茶が緑の池のようになってしまう生徒に、私がやってみせると、「先生、すぐ泡がたちますね、お茶が趣味なんですか?」と聞かれました。
(以前、80代の卒業生でとてもきれいな方に「美容と健康の秘訣は?」と聞いたところ「毎朝お抹茶をいただくこと」と言われて実践しているので、点てるのだけは慣れているんです。)
私は、生徒全員ができることを自分ができないのは・・・と思ってお茶を始めたのですが、それまでは、お抹茶が出てくると、どうやっていただくの?とドキドキして味どころではありませんでした。海外で、日本人なら知っているでしょう?とお茶のことを聞かれ困ったこともありました。
お家元が以前学校にいらしたときこんなことをおっしゃっていました。
「秋は月がきれいと誰かが教えてあげないと子供はその美しさに気づかない。四季折々の季節感を楽しむ心や、美しいものに気づく目を育てると、大人になって忙しい日常の中、雑踏の中にいても、一瞬、リゾートにいるようなゆったりした気持ちを味わうことができる」
「知る」ことで心の世界が広がるということがあるのだなと感じました。この学校で過ごす6年間、生徒達に様々な体験を提供し、豊かな心の世界の入り口に案内してあげたいです。今はピンとこない子がいても、いつか大人になったとき、引き出しにしまっておいた物が役に立つことを願って。